はがき通信ホームページへもどる No.112 2008.7.25.
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 <特集> ハンズフリーよりイヤホンマイクが便利 

C5、頸損歴20年

 私はケイソン受傷20年目、福岡県在住です。レベルはC5で電動リクライニング車イスに乗っています。友人のFさんより「いつも電話やメールはどうしてますか?」ということなので少し書きます。





 通信手段はもっぱらメールが多いです。メールは楽ですね(笑)。自分の都合で出しっぱなしです。相手の都合や体調を考えると電話は気になります。大体、毎日2度メールチェックしています。家族が出かけた時なども、やりとりはメールですね。自宅の電話にワン切りしてもらい、用事や急な買い物などはメール(買い物は間違わないよう写真添付)で済ませてます。





 たまに友人や知人とゆっくり話したい時はイヤホンマイクを使っています。量販店にも見に行きましたが、展示していたメーカーはイヤホンマイクの差し込み口がなく(私が知らないだけかも?)今は古いFAX電話の子機と併用でユニデン電話機(ネットで購入)を使っています。このユニデンが輸出用か、表記が英語で全く説明書も解らず、子機と切り替えて使用中です(笑)。ちょっとめんどくさいです。今のデジタル電話機には(有名メーカー)親機も子機にもハンズフリー機能が付いていますが音割れなどどうなんですかね? 私のは機種が古く音割れや飼い犬が吠えたりで、雑音が多くて聞き取りにくく(歳ですね)その点、イヤホンマイクは長電話でも気になりません。
 おそらく今使っているパソコンなら、光速度のIP電話共用ですので設定次第であとマイク、スピーカーがあれば電話も使いやすいと思いますが、そこまで日頃、使わないので今は十分です。ちなみに電動リクライニング車イスに乗っている時は写真のような感じでしゃべっています。
 

福岡県:K.M.



 <特集> 「ハーイ」でつながる電話機 

C5損傷21年、59歳♂

 ◇車イスのときが危ない
 2階の子供に連絡がとれなくて死にかかったことがある。
 ベッドにいるときは安全だ。50チャンネルの環境制御装置のイの一番に「呼び鈴」がセットしてあり、呼吸気スイッチのストローを吹けば2階で「ピンポーン」と鳴る仕掛けになっている。さらに環境制御装置にはNTTの「シルバーホンふれあいS」がつないであるから独りで電話をかけることもとることもできる。もちろんハンズフリーだ。これほど安心なことはない(導入したときはまだ40代だったから「シルバーホン」という名前は情けなかった。福祉業界では障害者はマイノリティなのだ)。
 問題は車イス上にいてしかも独りきりになったときだ。わたしは背中がひどく痛むので、ときどき車イスの前に固定したテーブルに上半身をもたれかからせて背中を除圧しなければならない。「前のめり」と称している。食事の前に前のめりしなければ痛くて食事どころではなく、ベッドに戻る前にもしなければベッドも苦痛だ。たとえエアマットが敷いてあってもだ。
 その日もいつものように夕食介助のひとはわたしを前のめりにしてから帰って行った。顔をテーブル上の枕に押しつけるこの体位は、背中は楽になるが息は苦しい。30〜40分がいいところだ。そろそろベッドに移してもらおうと思い、テーブルの天板の裏側に取り付けた「コードレスチャイム」をひざの上に置いた手で押したが(二頭筋は動く)、2階の息子からはなんの応答もない。家にはわたしと息子の2人しかいなかった。必死になってボタンを押したり息子の名を叫んだりしたが、まったく効果はなかった。バクスイしていたのだ。部活で疲れた高校生は朝まで眠りつづけるだろう、朝までには死んでしまう、死ぬのはかまわないが長時間苦しみたくないなどと考えた。結局あいている窓のほうに首をねじ曲げ隣家のひとの名を呼びつづけることで救助された。

 ◇緊急通報システムを導入
 これを機に安全センター(株)の緊急通報システムを導入した。「ふれあいS」に似たハンズフリー電話機のほかにペンダント型の発信器を貸してくれた。ペンダントを押すと自動的に安全センターにつながり、指定した相手に連絡を取ってくれる(ひとを派遣してくれるわけではない)。部屋の中で車イスを駐める位置は決まっているので、そのそばに置いた。
 このシステムのおかげで助かったことも何度かあるのだが、毎回コミュニケーションがうまくいかない。こちらは切羽詰まっているというのに相手はわたしがどんな状況にあるのかなかなか把握してくれず、苛立たしい思いをしなければならない。そもそもNTTの「シルバーホン」にしてからそうなのだが安全センターも主に高齢者相手の商売だ。普通に会話できるわたしが危機に陥っているとは理解しにくいのだろろう。一度など会話の途中で電話が切れてしまったことがあり、あとで理由を尋ねると、ご利用者様の電話料金を考えてのことですという回答だったが、緊急通報だぜ、おそらく淋しい老人が用もないのに長々としゃべりつづけるのに手を焼いて一定時間で切れるようにしたのだろう。
 支援費制度開始とともに介護体制を大きく変えたり、独りきりのときには前のめりをしないようにスケジュールを工夫したりした結果、毎月4725円のレンタル料を払ってまで緊急通報システムを使うまでもないなと思いはじめた。

 ◇声でつながる電話機を発見
 「ふれあいS」には自動着信機能があり、「保留」ボタンを押しておけば5回コールで自動的につながるのだが、あいにく背を向けてすわっている。安全センターの電話機には自動着信機能はないから、せっかくそばにあるのに電話が鳴ってもとれない。なんとか声だけでとれるようにできないものだろうか。いろいろ調べたがどれも電源を押さなければならないものばかり。それができれば苦労はしない。
 国リハの研究所に尋ねたら、(株)自立コムの「リモートコントロール・スピーカーホンRC−200」を教えてくれた(http://www.jiritsu.com/site/goods/products/17.html)。買う前に試させてもらった。アメリカ製で元の名をDIALOGUE RCという。「リモコンで会話」という意味だろう。たしかに音声で受信できる。売り文句には「約4mの距離からハンズフリー会話ができます」とあるが、こと受信に関しては至近距離でなければできないし、「ハーイ」あるいは「ハロー」で着信すると書いてあるが、頸損のヘナヘナ声で「ハーイ」と言ってもつながらない。声でなくても大きな音がすればつながる。電話機を叩いてもいい。わたしは「バカッ!」とどなることにしている。





 そんなのイヤだというひとは付属のリモコンを押せばいい。小型マウスぐらいの大きさがあるので押しやすい。手でなくても体のどこかで押せばいい。どこも動かないひとは別売りのピンマイクを襟に付ければ大きな声を出す必要はないだろう(試してないが)。さらにハンズフリー会話を他人に聞かれるのがイヤだというひとにはマイク付きヘッドセットも売っている。至れり尽くせりだ。
 もう一つの長所は20ヶ所の電話番号が登録できて(いやそんなことは当たり前だが)、リモコンを1回押すと「ピッ、ピッ」と順に登録先をスキャン(英語ではオートマチック・スクローリングというようだ)していくから、目的のところでふたたび押すと発信できるという点だ。要するに独りで電話がかけられる。
 欠点は高いこと。9万3450円する。それにこれはどこのハンズフリー電話でも同じことだが、双方が同時に話すことができない。相手が駅などのうるさい場所からかけてきたら、こちらの声は届かない。
 独りきりになることのないひとにとっては無用な道具かもしれない。だが、ひとの手をかりずに独力で電話の送信・受信ができるようになったとき、ああまた一つ失った能力を取り戻したという自信につながるのではなかろうか。この電話機のキャッチフレーズはfor Independent Communication(独力会話のために)だ。

東京都:F川



 <特集> 緊急時の連絡方法 


 私の場合は支給時間の都合上ひとりになる時間があります。ヘルパーさんのいない時に携帯電話を落としてしまい連絡が取れないままヘルパーさんの来るのを待ちました(悲しかったです)。





 それ以来、ストラップ付きの携帯電話をベッド柵に結んで使用します。これだけだと不安なのでベッドサイドにワゴンを置いてワゴンの中に固定電話を入れ対応しています。

東京都:K.N.



 <特集> 夜はワイヤレスコールで連絡 

C5


 家ではワイヤレスコールを使用してます。就寝時に枕元において、2Fで寝ている家人と夜中でも連絡できるようしてます。機種は「DXアンテナ・デルカテック・スマートホンコードレス(室内子器・親機セット)HC−15−B」です。福祉用具ではなくてインターフォンとして販売されていますので一般の家電量販店で購入しました。ネットでは2万5千円ぐらいで売られているようです。コールはマイク付で会話ができます。電源はACコンセントです。





 以前は電池式のコールを使ってましたが、電池切れで鳴らない時に心配があり、コンセント式のコールを探して、ボタン形状が大きくて押しやすそうなので購入しました。それ以来ずっとこれを使ってます。ボタンが大きいのは良いのですが、フラットなので押しにくいです。固いスポンジをボタンに貼り付けて凸型にして、手の甲や手のひらで叩いて押せるように工夫してます(写真を参考に)。
 欠点はブザー音が大きいところでしょうか。音量が大中小しか変えられず、小音量でも夜中に枕元で鳴ると結構びっくりします。以上ご参考までに。
 

福岡県:K.M.



 <特集> ワイヤレスコールの電池が切れて 


 夜間に家族を呼ぶときはせき損センター退院時に購入したワイヤレスコール(ナショナル製)を、もう20年使用しています。





 受傷して間もないころは布団を多く掛けすぎて夜中に熱がこもって目が覚めることがありました。そのうち夜の天気予報の最低気温やベッド横の室温計で最適な布団や毛布やタオルケットを選び夜中に呼ぶことも少なくなったときに、半年ワイヤレスコールを使用していなかったところ風邪を引いて痰がどんどん出てきてコールのボタンを押しても電池切れでコールが鳴らずに、しかたなく枕に吐いたことがありました。それからは寝る前に定期的にボタンを押して鳴るか確認しています。
 工夫は、枕横のコールボタンが落ちたりずれないようにホームセンターで購入(300円〜500円)したゴム板を敷いています。凸凹のゴム板のほうがずれないようです。

 

編集委員:藤田 忠

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