2015年8月23日(日):リハビリテーション誌に論文掲載
月刊「地域リハビリテーション」8月号(第10巻第8号、三輪書店)に私の論文「聴覚障害者の聴覚補償と情報保障のための機器」が掲載された。厚労省の障害者自立支援機器等開発促進事業の助成を受けて開発されたアイセック・ジャパン社の字幕電話とユニバーサル・サウンドデザイン社の難聴者用スピーカーについても触れ、リハビリテーションの仕事に携わる専門家向けに難聴者支援の一端を解説した。
2015年8月17日(月):2016年版「よくわかる補聴器選び」
2016年版「よくわかる補聴器選び」(関谷芳正:監修・著、八重洲出版、\1,000)が発刊された。第1章から第5章までの内容は補聴器の基礎知識として分かりやすくまとめてあり、専門家にも有益な解説書である。私が推薦文を載せている。相変わらずの文章だが、毎年少しずつ加除修正はしている。
『補聴器を選ぶあなたに』
●古来中国でつくられた「目」の付いた漢字には、「見る」「視る」「覧る」「看る」「督る」「観る」など187個もあります。今ではその中の相当数が使われなくなりましたが大変な数です。一方、「耳」の付いた「きく」の漢字にも、「何となくきく」という「聞く」から、「注意してきく」という意味の「聴く」までいろいろありますが、それでもたった13漢字しかないのです。「きく」漢字が「みる」漢字に比べて圧倒的にその数が少ないことからも、“聞こえなくなる”ことは“見えなくなる”ことに比べ一般に関心が薄いことがわかります。
●●足腰や目の衰えなどに比べ、難聴は周囲の人から“見えにくい”障害なので、本人がどう困っているか理解されにくいのです。“テレビの音が大きすぎるから一緒に観ない”“声をかけても返事がないから余計な話はしない”“用件や約束などを聞き違えるので迷惑なことになる”“同じことを繰り返し尋ねられるので面倒だ”“孫の声はよく聞こえるのに私の話には聞こえない振りではないか”など、聞こえの問題が人間関係にまで影響を及ぼします。
●●●聴力に合った補聴器の処方箋をつくってくれるのが「補聴器相談医」です。それをもとに「認定補聴器技能者」が候補器種を選んでくれます。その後、お気に入りの一つを選ぶのはあなた自身なのです。補聴器に隠れている優れた性能を引き出し自慢の愛用品に進化させるのもあなたです。
●●●●聞こえの問題を抱える当事者が最新情報を得て賢くなる必要があります。本書は、安心な音の世界、自信のもてるコミュニケーション、アクティブな生活へとあなたをつなげるガイドブックです。
2015年8月10日(月):「難聴児に関わる連携の会」
東京医科大学病院 聴覚・人工内耳センター(TMU ACIC)において「難聴児に関わる連携の会」が開催される。「医療」と「教育」のみならず、聴覚・言語障害児に携わっている助産師、保育士、行政、補聴器や人工内耳関係者および難聴当事者が、難聴児の将来を見据えた可視化できる連携を目的に情報を共有するための会である。
・主催:東京医科大学病院 聴覚・人工内耳センター、後援
NPO 人工聴覚情報学会
・日時:2015 年 8 月11 日
・場所:東京医科大学病院 教育研究棟 3階 大会議室
・時間:13 時 00 分~17 時 00 分
プログラム:
・開会挨拶:東京医科大学病院 河野淳教授
1. 「難聴児への行政、医療、教育の共有に向けて」
東京都福祉保健局少子社会対策部家庭支援課母子保健係・井水正恵氏
2. 話題提供 「難聴児対応の現状」
田中清之先生(大宮ろう学園)、田原佳子先生(千葉県立千葉聾学校特別支援教育コーディネーター)
3.特別講演 「聴能訓練から聴覚学習へ」
元筑波技術大学学長 大沼直紀先生
・人工内耳メーカー3 社の情報提供
・閉会の挨拶:NPO 人工聴覚情報学会・真野守之
2015年8月9日(日):東北教育オーディオロジー研究協議会第3回研修会
東北教育オーディオロジー研究協議会(会長:髙屋隆男・前福島聾学校校長)が順調に活動を展開している。宮城教育大学を会場に第3回目の夏の研修会が開催された。120名を超える参加者があり、仙台七夕の3日目に当たる8月8日から2日間にわたり熱心に勉強した。
一 日 目 8 月 8 日 |
12:15~13:00 12:30~13:00 |
受 付 東北教育オーディオロジー研究協議会総会(会員のみ) |
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13:00~13:30 |
開会式(オリエンテーションを含む) |
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13:40~14:50 |
基礎講座(実習) |
基礎講座(実習) |
中級講座(実習) |
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「純音聴力検査法」 講師 本会会員 |
「発音指導の基本」 講師 本会会員 |
「重複障害児に対する聴力検査の方法」 講師 本会会員 |
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15:10~16:30 |
講 演 「極早期手話コミュニケーションとの日本語の習得」 坂本 幸 氏(国立大学法人 宮城教育大学 元教授) |
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二 日 目 8 月 9 日 |
8:00~9:00 |
受 付 |
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9:00~10:10 |
基礎講座(実習) |
基礎講座(実習) |
中級講座(実習) |
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「補聴器の基礎」 講師 本会会員 |
「聴覚学習の基礎」 講師 本会会員 |
「補聴器のフィッティング法」 講師 本会会員 |
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10:30~12:00 |
講 義 「宮城教育大学における聴覚しょうがい学生支援について」 藤島省太氏(国立大学法人宮城教育大学 教授) |
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12:00~13:00 |
昼 食 |
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13:00~14:20 |
パネルディスカッション 司会進行:髙屋隆男 「聴覚障がい児の教育・療育の場について知ろう!」 ① 聴幼児通園施設 職員 ② 小学校 教員 ③ 聾学校(聴覚支援学校)教員 |
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14:40~16:30 |
講 演 「聴覚障がい教育の過去・現在・未来 Part Ⅱ」 大沼直紀氏(国立大学法人筑波技術大学・前学長) |