2013831日(土):日本特殊教育学会(終身会員)

「第51回日本特殊教育学会」が明星大学(日野市)で開催された。今年度から私は「終身会員」という身分になった。会費を払わずにフリーパスで学会に参加できる。いざ会場の受付に顔を出すと申し訳ない感じになる。名誉教授になると自分のいた大学に勝手には行きにくくなる心境と似ている。そして終身会員になったからなのか、これまで続けてきた学会誌「特殊教育学研究」の編集委員の任も降りることになった。送られてくる投稿論文の査読は大変だったが遣り甲斐もあったので少し寂しい。歳をとることに伴って起こる役割変化に順応できるようにならなければと思う。



2013830日(金):「手話の社会学」(著:金澤貴之)

群馬大学の金澤貴之先生が出版した「手話の社会学」(生活書院)の恵贈があった。東京学芸大学から学位を授与された博士論文にもとづいた内容の新著である。さすがに力作だ。著者の金澤貴之先生が学生だった頃、初めて会ったのが20年前だったことを思い起こしている。本論・第3部の第3章『A聾学校における「聴覚手話法」構築過程』のなかで、『聴覚活用に関する講演をA聾学校でし、「聴覚手話法」にかかわる研究会の助言者兼共同研究者を務めたO氏』とあるのは、実は私のことである。199532日に大学院生の金澤氏からインタヴューを受けた時の私の話も2ページにわたって載っている。聾早期教育に手話を導入すること自体がまだ良しとされなかった当時の風潮の中で、「聴覚手話法」の名称のもとに手話の導入に納得性を示そうとした提言は、「聴覚活用を促進するというレトリックが用意されることで達成された」とあるのは、その通りだったと思う。その後も聴覚活用の余地を求め続ける引退研究者の私は、「(手話で)言葉を見る世界と(補聴器・人工内耳で)音を感じる世界の両方に身を置く聴覚障害青年が育っている」などと表現しながら執拗さを已めない。このことも金澤先生にはレトリックとお見通しであろう。レトリックであろうと何であろうと、「音」(音声に拘らない)が、必要な聴覚障害者に保障されるなら言うことはない



2013820():「よくわかる補聴器選び」(2014年版)

「よくわかる補聴器選び-2014年版」(八重洲出版)が刊行された。名古屋の関谷耳鼻咽喉科院長・関谷芳正先生の監修・著である。昨年度版では私の推薦文が宣伝オビとして付けられていたが、読者は本から帯を取り外してしまうことが多い。今回は編集担当された岡本健一氏の依頼で冊子の巻頭ページに「あなたが選ぶ音の世界」の原稿を載せることになった。約200ページある本のなかの100ページ以上が「難聴の症状と補聴器のはたらき」について解説してあり、「補聴器概論」のテキストとしても使える内容である。



2013810():第1回東北教育オーディオロジー研究協議会の報告

長年の念願であった「東北教育オーディオロジー研究協議会」が正式に設立された。これで日本全国の9ブロック全てに教育オーディオロジーの実践拠点が揃ったことになる。事務局長の飯塚和也先生(福島県立聾学校)からいただいた概要報告と新聞掲載記事を転載させていただく。

【会員の先生方へのご報告】

 東北教育オーディオロジー研究協議会の事務局長に就いた飯塚です。8月10日遅ればせながら東北教育オーディオロジー研究協議会が正式に立ち上がりました。

 まずは、日本オーディオロジー研究会から祝電をいただきありがとうございました。また、関東教育オーディオロジー研究協議会から祝辞と記念品をいただきました。静岡聴覚特別支援学校の飯塚知之先生が駆けつけて下さり、関東教育オーディオロジー研究協議会長代理として祝辞と記念品をいただきました。ありがとうございました。遠路わざわざ来ていただいた静岡の飯塚先生に感謝です。

 ●さて、8月10日の様子を少し紹介します。午前中は、選択実習として、「語音聴力検査法と語音知覚検査法」「FM補聴システムの仕組みとその使用法」その後講義・実習「聴覚の活用と日本語の指導を考える」を行いました。東北で教育オーディオロジーの研修会が開かれることが皆無に等しいことに加え、実際に実習しながら学び合う研修も新鮮で、とても和気あいあいと学び合うことができたようです。基本的な内容の研修ですが、このような基本的なことから丁寧にみんなで学び合うことが東北教育オーディオロジー研究協議会には必要なことなのだと感じました。

お昼を挟んで設立総会が行われました。ここで、サプライズがありました。それは、郡山市長の品川市長から祝詞をいただいたことです。

●このことには、裏話があり、実は、品川市長と日本教育オーディオロジー研究会会長の 大沼会先生とは旧知の仲(筑波技大時代には学長顧問もされた)で、大沼先生から品川市長に直接電話をしていただき品川市長のご臨席という運びとなったわけです。私たち事務局としては大変ありがたいことでしたが、郡山市役所内ではテンヤワンヤの大騒ぎで、「オーディオロジー」とは何なんだ?どんな会なのか?市長の祝辞を作らなければならないから資料をそろえて欲しいとの慌てぶりでした。超多忙な郡山市長の予定を急遽調整して来ていただくことができました。演壇に立った品川市長は市側が用意された原稿を読まず自分の言葉で祝辞を話されました。その中で私が感動したのは、郡山は「音楽都市」として全国にアピールしている都市です。市長は、祝辞の中で「楽都郡山」として聴覚障がいをもつ人たちも音楽が楽しめるような郡山を目指して都市作りをしていきたい旨の挨拶をいただきました。実際にこのような都市に郡山がなったら素敵なことだと) 感動しながら祝辞を聞いていました。

●午後からは、設立総会がありました。会則、会計案などが審議され、可決されました。この設立総会をもって正式に東北教育オーディオロジー研究協議会が立ち上がったことになります。全国的に見れば非常に遅れをとってしまいましたが、東北らしい教育オーディオロジー研究協議会になるようにしていきたいと思います。総会の後、大沼先生から「聴覚障がい教育と教育オーディオロジー」という演題で講演をいただきました。皆さんご存じのように大沼先生は仙台の宮城県立聴覚支援学校に勤務されていたということもあり、東北には特別な想いをもっていらっしゃいました。その東北教育オーディオロジー研究協議会の設立ということもあり、大沼先生の教育オーディオロジーを大切に思うお気持ちをひしひしと感じる講演となりました。

 ●こうして、東北教育オーディオロジー研究協議会は無事立ち上げることができました。ありがとうございました。日本教育オーディオロジー研究会からは、FM補聴システムに関する冊子を100部提供していただきました。ありがとうございました。 今後、東北聾学校校長会からも後援をいただけるようにがんばっていきたいと思います。多くの方々の御協力ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。













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