2013724日(水)6時間講義(江戸川区特別支援教育担当教諭専門研修)

ここ数年、江戸川区の特別支援学級(難聴)の先生を対象にした専門研修の講師を務めている。若い頃は数日間にわたり午前から午後までぶっ通しの集中講義を平気でこなしたものだ。この頃の講演や講義は大体が90分間である。たまに2コマ連続で話すこともあるが、それでも一日3時間だ。ところが江戸川区での研修では「聴覚障害の生理・病理」と「聴覚障害児の指導上の配慮」の内容を6時間続けて講義する。昨年度もちょうど同じ時期に、6時間の講義を終えたその足で空港に向かい、シンガポールで開催された国際会議に出席するという強行スケジュールをこなした。年間通じて私の講演・講義で最も長時間頑張らなければならない仕事である。本日も朝9時半から夕方4時半までの連続講義を無事終えることができたのは何よりである。終了後、担当の指導主事先生から来年度も宜しくと担当を打診されたので、こちらこそどうぞ宜しくと応えた次第である。この江戸川区の終日講義を全うできることが、私の仕事体力を計る一つのバロメータだと思っている。



2013721():大阪散歩(パチンコ店のノイズなど)

全国それぞれの主要都市には私一人で訪ねて行ける馴染みの店が一つはある。ところが珍しく大阪にだけは往きつけの飲食店などがない。先週末と今週末の2週続けて大阪に滞在した。いつも大阪出張は講演などが済んだ後の夕食会や懇親会は、主催者から案内されるままにタクシーなどで指定の会場に連れて行ってもらい、終わるとまたタクシーでホテルに戻るということが多かった。今回は一人歩きができた。通天閣を見たのも初めてである。

散歩中にトイレが見当たらず、止むを得ずパチンコ店に駆け込んだ。実はこうした遊技場に入ったのは初めてである。トイレを借用したい旨を大声で店員に訊ねても応答が成立しない。これまで私が経験したことのない種類の最大雑音だ。つい専門根性がでてしまいスマートフォンでサンプルノイズとして録音した。人の音声を聞き取るのに最も苦労する環境ノイズだと実感した。今回の2回の大阪講演のうちの、参加者からの質問に「補聴器ユーザーにとって最も聞きにくい音環境は何ですか」というのがあった。まさにこの場面だと思う。

一般に難聴者がなかなか補聴器の聞こえに満足しない理由の一つに、「健康な耳を持った人というのは何でもよく聞こえている」と過大評価し聞こえ回復への期待度・要求度が高すぎる場合がある。「大体にして人間の周りには聞こえていない音がたくさんあるもので、そんな中で適当に暮らしているのが普通なんだ」という実態説明も補聴器カウンセリングで必要なのかもしれない。

今回の大阪探訪では、パチンコ店の大音響とは対照的な落ち着いた静かな店を二つ見つけた。一つは老舗バー「堂島サンボア」である。磨き上げられた真鍮のバーがついたカウンターに寄りかかって立ち飲みするウイスキーは満点。もう一つの店は居酒屋「ながほり」。ミシュランに載った居酒屋として有名だが、居酒屋というより割烹と言った方がよい店構えである。先日、NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」に出演されたのが店主の中村重男氏。閉店までわずかという時間に予約なしで入った私を快く迎えてくれた。最後に一つ残っていた大ぶりの毛蟹を注文する。身半分はカニ酢のジュレで、残り半分はカニ雑炊で供してくれた。また訪れたい大阪のお気に入りの店である。



201377():聴覚過敏の論文

2年前から東大の先端研の熊谷晋一郎先生(特任講師、小児科医、今年923日に開催される本研究会総会の公開講座で特別講演される)を中心に聴覚過敏に関する研究チームをつくり、特に当事者研究の視点から調査研究してきた。その成果の一端をまとめ、日本聴覚医学会の「Audiology Japan」に投稿した結果、原著論文「一般大学生における聴覚過敏の実態とリスク要因」として採択され掲載された(熊谷晋一郎、綾屋紗月、武長龍樹、大沼直紀、中邑賢龍:Audiology Japan Vol.56,No.3, pp.234-242)。この論文では、聴覚過敏を主訴とする患者の診療において、不安障害や睡眠障害の合併に目を向けることや、頭頸部手術後のフォローアップにおいて聴覚過敏に目を向けることの重要性を指摘した。

これとほぼ同時に、日本特殊教育学会の学会誌「特殊教育学研究」には岐阜聾学校の小川征利先生の「通常学級に在籍する児童のきこえの困難さ検出用チェックリストの作成-因子分析的検討を通して‐」も掲載された(小川征利、原島恒夫、堅田明義:特殊教育学研究、第51巻、第1号、pp.21-28)。教育オーディオロジーの研究実践領域が聾・難聴に留まらず広がっていく萌芽が感じられる。



201374日(木):故障続きのこの頃

長年愛用してきた物(腕時計、車、メガネ、パソコン、携帯電話など)がこの数週間で続けざまに壊れるという事態が起こっている。20年以上も使い続けたオメガのスピードマスターの針とデジタル表示が同期せず遅れ始めた。修理に出したらスイスに送られ戻ってくるまで2カ月かかる。11年乗り続けている愛車ジャガーがオーバーヒートする。ラジエーターの冷却水が漏れていた。この外車はちょっとした修理にも高額な金食い虫である。18年前に関口宏司会のTV番組「知ってるつもり」に出演するときに買ったカルチェのメガネフレームが折れてしまった。買い替えようと訪ねた眼鏡店の最近流行りのデザインには気に入ったものがなく、とりあえず瞬間接着剤で応急処置して使っている。次には、昨年暮れに購入したばかりのタブレット型パソコンの画面が誤動作を起こし、タッチセンサーと液晶画面を交換しなければならなくなった。さらに、充電を済ませたスマートフォンの電池が5分も経たないうちに電源切れになり外出時に用を足さなくなってしまった。電気店に相談した結果、他社の機種に乗り換えることになった。しかし設定や操作に慣れず、今のところ唯の携帯音声電話の機能のみのままである。さて次は何が壊れるのだろうか。

蒸し暑い都内の移動でずいぶん汗をかいたから補聴器は大丈夫だろうかと心配していたら、物ではなく私自身の躰に不具合が生じてしまった。右肩が痛くて真っ直ぐ上に腕を伸ばしたり背中に手を回したりするのが辛くなった。この冬に越後湯沢のスキー場で激しく転倒した後遺症かもしれないと思い、筑波技術大学附属東西医学統合医療センターの木下裕光教授に診てもらうことにした。肩関節や骨には特に異常はなく肩関節周辺炎のようだ。木下センター長の薦めで新設のリハビリテーション科に回り理学療法士に関節可動域を改善するための運動療法の指導を受けたところである。7月いっぱいは予定が詰まって多忙なので用心しなければと思う。






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