2012928():人工内耳と手話

923日に東大先端研で開催した「聞こえのバリアフリーシンポジウム」のテーマは“ALADJINを聴覚障害教育の領域から読み解く”であったが、登壇者やフロアーからの質問者から出された話の多くは「人工内耳と手話」であった。本日からつくば国際会議場で開催された第50回日本特殊教育学会のろう難聴部会関係のどのシンポジウムでも、やはり「人工内耳と手話」がとりあげられていた。

学会企画シンポジウム「聴覚障害児教育における手話と人工内耳」(企画者:小田侯朗・愛知教育大学、原島恒夫・筑波大学)では、指定討論者のレオンハルト教授(Annette Leonhardt, University of Munich)がドイツと日本の手話・人工内耳に関する意識の相違について淡々とコメントされた。ドイツではそもそも手話と人工内耳の対立的議論がもはや存在しないこと。聾の両親をもつ聴覚障害児の人工内耳適応や、両耳への人工内耳適応が普通のこととなっている現状とそこに至ったこの10年間のパイロットスタディーの結果などが報告された。日本において今取り組んでいる人工内耳と手話をめぐる課題整理が、正にドイツの10年前の出来事だったことが思い知らされた。

自主シンポジウム「聴覚障害児の言語力」(企画者:国末和也・大阪河崎リハビリテーション大学)では、指定討論者である私から、今後、感覚器障害戦略研究の成果を教育領域でも活用しようとする場合の留意点として、「地域連携型クリティカルパス」と「バリアフリー・コンフリクト」の考え方を参考にしてはどうかと提案した。



2012921():筑波技術大学創立25周年記念式典

筑波技術大学の創立25周年記念式典に出席した。懐かしい人が多い。文科省を代表して来賓として来られた板東久美子高等教育局長と久しぶりにお会いした。板東局長は私が初めて学長に就任するときの文科省の人事課長であった。学長を支える副学長や理事などの新しい執行部体制をつくるのに助言をいただき、その後も大学の法人化と4年制化に並々ならぬ応援をいただいた方である。もう一人の忘れ得ぬ方、関正夫氏(関彰商事会長、茨城県社会福祉協議会会長)は、法人化された大学組織に初めて経営協議会を設置した際に、学外から委員としてお迎えした。経済財界を代表する委員としてその後の大学の発展に尽力いただいた。人との縁(えにし)によって大学経営が助けられていたことを想い起こす一夕であった。



2012913():毎日新聞に取材記事掲載

一か月も前に取材を受けていたので忘れていたが、掲載紙が郵送されてきて思いだした。毎日新聞の斎藤弘子記者が老人性難聴の聞こえと対策などについて知りたいと研究室を訪ねてこられた。「くらしナビ・医療&健康」の欄に、「コツコツ健老術、病名:老人性難聴、治療:耳鼻咽喉科」の見出しで掲載されている【2012827日付、毎日新聞朝刊13面】。斎藤記者は耳に関する取材は初めてだと言うので比較的長い時間をかけて一般向けに解説した。ほとんどの内容は、拙著「あなたの耳は大丈夫?」(PHP研究所、1998年)を手元に広げながらの話である。この本は初版から15年も経過したが、聴覚活用の基本知識を伝えるのに分かりやすいので自分でもよく引用する。すでに絶版になっていて古本屋やインターネットオークションでしか入手できないらしい。



2012910():聞こえのバリアフリー・シンポジウムで“二人の福島先生”が講演

923日に開催される「第3回東大先端研・聞こえのバリアフリーシンポジウム」・聴覚障害児の日本語言語発達のために」は、“ALADJINを聴覚障害教育の領域から読み解く”がテーマである。今回は高名な「二人の福島先生」のお話が聞ける。厚労省の感覚器戦略研究チームリーダーを務められた岡山大学医学部の福島邦博先生、そして東大先端研のバリアフリー分野を代表する福島智先生である。邦博(くにひろ)先生は基調講演を、智(さとし)先生は主催者としての挨拶と当事者研究の立場からの総括スピーチを行う。司会進行役の私としても大いに楽しみである。



201299():「補聴器に関するQ&A」刊行

ENTONIエントーニ(編集主幹:本庄巌、市川銀一郎))は耳鼻咽喉科医の間ではよく知られた月刊誌(全日本病院出版会)である。これまで私も何度か執筆している。今月の増刊号「補聴器に関するQ&A-診療所における対応」は神田幸彦先生(神田ENT医院・長崎ベルヒアリングセンター院長)が編集企画された。私が分担したのは「初めて補聴器を患者さんに適合する場合について-6080歳代での場合は?」である。次の5つのポイントについて解説した。

①加齢難聴の補聴器適合を左右する要因は何か
60歳代以降に初めて補聴器にアプローチするには、聞こえの自己評価が大切
③難聴の聞こえの特徴を理解し、高齢難聴者の“聞こえの痛み”を知る
④よりよく聞ける高齢難聴者となる基本は何か
⑤高齢難聴者にわかりやすい話し方の工夫





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