Duskin Leadership Training in Japan

活動報告

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第3期生 シャフィクの活動報告②

第20回アボタバード・スポーツ大会

情報提供者:シャフィク・ウルラフマン(パキスタン、第3期生)

2012年6月24~27日の三日間、マイルストンとKPKの共催で第20回アドタバード・スポーツ大会が開かれ、全国から32の障害当事者団体が参加しました。これまでマイルストンは、長年にわたって障害者のスポーツ大会を開催してきました。スポーツを通して、多くの参加者は隠れた才能を発揮します。また、数日間一緒に過ごすことで、彼らは友情を築き、育んでいきます。よって、このスポーツ大会を一年間心待ちにしている障害者も多く、マイルストンにとってもこのイベントは特別な意味を持っています。

スポーツ大会の開会式の様子。写真中央がシャフィクさん。

スポーツ大会の開会式の様子。
写真中央がシャフィクさん。

各参加団体の相互交流は、大会の数日前からはじまります。スポーツ大会はもちろんのこと、大会期間中の参加者の宿泊や食事もすべてマイルストンと地元のA STARプロジェクト(マイルストンのパートナー団体:ダスキン卒業生のムザンミール・イスラム氏が設立)が手配しました。今年はモダン・スクール・システムが宿泊地とされ、到着した参加者らはKPK政府スポーツ部門代表のタリック・カーン氏の歓迎を受けました。カーン氏は障害者スポーツに強い熱意を持って取り組んでおり、これまで20年以上に渡ってスポーツ大会の開催に尽力してきました。最初に大会が開かれた時のことは、パキスタンの障害者運動の歴史に今でも残っています。

6月25日の朝に開会が宣言されると、車いすクリケットの試合をはじめとする様々なスポーツ屋内外で行われました。種目は多岐にわたり、卓球や綱引き、バスケットボール、車いすレース、クラッチレース、スタンディング・クリケット、槍投げ、円盤投げなどがあります。それぞれの種目には大勢の障害者が参加し、勝利を目指して奮闘しました。それはとても楽しく、健康的で、参加した全ての人にとっても忘れられない思い出となりました。車椅子クリケットとバスケットボールは、マイルストンが同国ではじめて行った競技ですが、とりわけ車いすクリケットは人気があり、誰もがその王者になることを夢みています。そして今年は、決勝戦でマルダン・タイガースを破ったチーム・ムルタンが優勝しました。

車いすクリケットの試合風景。

車いすクリケットの試合風景。

また、このイベントには全国から障害者団体が集まっていたので、マイルストンは障害者リーダーシップ形成についての講義も開催し、講師にアティフ・シェイク氏(Step Organization Islamabad会長)を招きました。講義は盛況のうちに終わり、聴講者はリーダーシップについて、そしてどのようにして社会を変革していくかについて学びました。この講義の目的は、将来のリーダーを育て、インクルーシブな社会作りに貢献することです。

スポーツ大会の後には、ミュージカル・ガラ・ナイトが開かれ、マイルストンを代表する歌い手がプロ顔負けの歌唱力を披露しました。全国からやってきた参加者らはそれぞれの言葉で同じ歌を歌い、そのうちに音楽にのってダンスを踊り始めました。その夜のアボタバードはひんやりとしていたのですが、皆が踊り始めると会場は一気に熱気ムンムンとなり、盛り上がりました。またレナード・チェシャー・ディスアビリティ(INGO)のイムラン・ナジール氏がスピーチをし、イベントの成功を讃えました。それからKPKスポーツ部門代表のタリク・カーン氏が壇上に立ち、政府とも連携しながら来年以降もこのイベントを続けていきたいと話しました。

障害者のための大規模なイベントは、パキスタンでは他に例を見ません。大会の最終日には車いすクリケットとスタンディング・クリケットの決勝戦が行われ、その後に表彰式が開かれました。表彰式にはKPK政府スポーツ部門のアキル・シャー氏とカンザダ・カーン氏も列席し、選手の栄誉と奮闘を讃えました。その後、タリック・マムード氏とシャフィク・ウル・ラフマン氏が協賛者への御礼を述べると、シャー氏が同イベントに対して今後助成金を提供することを発表しました。閉会の言葉においてウル・ラフマン氏は、参加者と共催者への感謝の気持ちを再度述べ、マイルストンは今後も障害者のためのスポーツ大会を継続していくことを誓い、このイベントは幕を閉じました。

表彰式の様子。MCを行うシャフィクさん(右端)と裏方として働くアクマルさん(後方、帽子をかぶった男性)の姿も見えます。

表彰式の様子。
MCを行うシャフィクさん(右端)と裏方として働くアクマルさん(後方、帽子をかぶった男性)の姿も見えます。

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