障害者白書は、平成5年に施行された「障害者基本法」に基づき、毎年国会に提出している年次報告です。今回は平成6年から数え、29回目となります。
我が国は、平成26年に「障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)」を批准し、その理念を踏まえ、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」等の法的枠組みの整備を行うとともに、平成30年3月に「障害者基本計画(第4次)」を策定し、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の充実に取り組んでいます。
令和3年は、事業者に対し合理的配慮の提供を義務付けること等を内容とする「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の改正法が公布されました。この改正法により、障害を理由とする差別の解消を推進するための更なる一歩を踏み出すことになります。また、東京パラリンピック競技大会が開催され、障害のある選手たちが見せた圧倒的なパフォーマンスは、障害や障害のある方への人々の意識の変化を促す機会になりました。政府は、大会に向けて心のバリアフリーの拡大や世界に誇れるユニバーサルデザインの街づくりなど社会的障壁を除去するための取組を精力的に進め、各分野の施策が着実に講じられてきております。これらの施策や取組にとどまることなく、全ての国民が障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重し支え合いながら共生する社会の実現に向けて、不断に取り組んでまいります。
今回の白書では、これら令和3年度に政府が講じた各分野の障害者施策や取組の概況のほか、教育、雇用、生活、まちづくり、情報・意思疎通などに係る官民の取組、具体事例をTOPICS (トピックス)として紹介しています。
この白書を通じて、国民の皆様の障害や障害のある方に関する理解と関心が深まり、共生社会の実現に向けた取組や行動が更に広がっていくことを願っております。
令和4年7月
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