障害者白書は、平成5年に施行された「障害者基本法」に基づき、毎年国会に提出している年次報告です。今回は平成6年から数え、25回目となります。
我が国は、平成26年に「障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)」を批准し、その理念を踏まえ、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」等の法的枠組みの整備を行い、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の充実に取り組んできました。そして、本年3月、平成30(2018)年度からの5年間を対象とする新たな「障害者基本計画(第4次)」を策定しました。
新たな基本計画では、障害者権利条約の批准や障害者差別解消法の施行、2020年東京パラリンピック開催等の動きも踏まえ、ICT等の新技術を積極的に導入しつつ、移動の支援や情報の提供、心のバリアフリーなど、社会のあらゆる場面におけるバリア(社会的障壁)の除去をより強力に推進していくこととしています。今回の白書では、第1章で新たな基本計画について取り上げるとともに、全編にわたって、基本計画に関連する様々な施策や取組をTOPICS(トピックス)として取り上げています。
2年後の2020年には、いよいよ我が国で東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。世界中から障害のある人を含めたあらゆる人が集うこの大会は、我が国の先進的かつ充実した障害者施策を世界に示すことのできる絶好の機会であり、また、国際社会における「共生社会」への関心の高まりを共有できる場でもあります。今回の白書では、2020年の東京大会に向けた様々な障害者関連施策も掲載しており、我が国としては、これらも含めた障害者施策の推進に引き続き全力で取り組んでいく必要があります。
国民の皆様に障害者施策に関する理解と関心を深めていただくためにも、この白書が、多くの方々に広く活用され、全ての国民が、障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重し支え合いながら共生する社会を実現するための一助となることを願っております。