芳一ほういち?のがれるように返事へんじをした――

和尚様おしょうさま御免ごめんくださいまし! 少々しょうしょう私用しよう御座ございまして、ほか時刻じこくにそのこと処置しょちすること出来できませんでしたので』

 住職じゅうしょく芳一ほういちだまっているので、心配しんぱいしたというよりむしろおどろいた。それが自然しぜんことであり、なにかよくないことでもあるのではなかろうかとかんじたのであった。住職じゅうしょくこの盲人もうじん少年しょうねんあるいは悪魔あくまにつかれたか、あるいはだまされたのであろうと心配しんぱいした。で、それ以じょう何もたずねなかったが、ひそかにてら下男げなんむねをふくめて、芳一ほういち行動こうどうをつけており、くらくなってから、またてらくようなことがあったなら、そのあとけるようにといつけた。