感覚統合療法とは、 感覚が偏った障がい児に遊びや運動で刺激を与え、 いろいろな感覚を正しく働かせることにより、 日常生活に適応させる療育方法です。
自覚しやすい五感と言われる
視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚のほかに
平衡感覚、体の動きのコントロールの固有感覚もあります。
この3つの感覚のアンバランスさが子どものつまづきで、
それらをバランスよく使えるようにするのが感覚統合です。
気になる行動を感覚統合の視点でみて見えてきた理由に丁寧にアプローチしていき、改善していきます。
@子どもたちが自分から求めている、楽しいと思える活動(やってみたい)を
A子どもたち自身が自分から能動的に行い(やらされているのではなく)、
Bうまくいったと実感できること(成功体験)
この3つがそろっている時、
感覚統合機能が最も発達するというのが、感覚統合療法の基本的な考えですので、
調理活動は最も適した感覚統合療法だと言えます。
料理の動作を見ていくと・・・
「計る」 持った時の重さを感じ取ると同時に 計量計りでみる数量的な重さを理解します。 計量力ップの 「100ccの線まで入れる」だと、 液体を目と手を協応させて使います。 眼球運動もしますし、 集中力も必要です。
「切る」
包丁を握り、切る動作をすることは、
母指と四指の対向、肘、肩甲骨から肩の動きのスムーズさが必要です。
「混ぜる」 手で混ぜるのは触覚刺激、 泡だて器やへラやお玉で混ぜるのは手首の回転、力の調節。 左手はボウルをおさえる、 右手は混ぜる、 それぞれの手を別々に動かす巧緻性や目と手の協応も必要です。
ホットプレートに並べるのも、
順番や位置を考えて、空間認知などの視知覚が必要です。
加熱時間を計るなら、
時間の感覚を知り、
待つトレーニングになります。
盛りつけは、お皿選び、人数、彩りなど考えての空間認知。
など、料理に関する知識が身について将来の自立生活に必要な力がつくのはもちろん、
作業動作の中にトレーニングがはいっています。
食材なので、五感を強く刺激するのはいうまでもありません。
そして、子どもたちのモチベーションの強さは、
ほかのどの訓練法より強いです。
最後に協力したみんなで、
おいしいものを食べることができるから。
こんな風にして、
さんさんくらぶは毎日感覚統合療法に取り組んでいます。