7.教育実践

横須賀市立ろう学校

真野 穂乃美

5カ国より,15本のレポート提案がありました。それぞれの国々での,聾児や難聴児への取り組み・普通級や普通児との交流からもたらされる,メリットやデメリット・交流のための経済的な困難さ等についてのレポートが提案され,意見交換がされました。

話題を3点に絞ってのまとめ

聴覚障害者にとって,インクルージョンは効果的である。

1.レポートや会場の意見からも,インクルージョンは効果が期待できるという意見が多かった。しかし,情報保障・サポートの方法などで人的な面や経済的な面で問題を抱えている。台湾の提案者からは,普通校に入れることがよいこととされているが,あまり良い結果が出ていない,という意見があった。

2.インクルージョンを効果的にするには,どのようなサポートがあるか。

日本の交流や通級指導がここに入るが,その場合の人的・組織的・財政的に考える必要がある。

意見→インクルージョンを効果的に行うのに必要なのは,情報保障である。情報保障のないインクルージョンは効果があまり期待できない。教員ができないときは,ボランティアの方にお願いする。ボランティアの方に入ってもらった時の3つのポイント。

1)その学校の保護者から集めることが,効果的である。

2)集まった保護者にノートテイクの練習をしてもらう。

3)現場に入ってからのサポートが必要である。

3.インクルージョンの選択は,誰がどのような方法でするのか。その選択に対する評価は,どのようにするのか。

児童・生徒を取り巻く関係者と相談しながら,最終的には親が決定していくという意見が多かった。また,インクルージョンの結果を常時親に示し,今後の体制について話し合いの場を持つことが大切である,という意見もあった。

まとめ

 この分科会では,海外からのレポートが7本と国際会議にふさわしい会となりました。

この分科会は,全国聾学校研究大会と協賛で基本問題分科会と兼ねて行われました。今まで,インクルージョンは,個人の力に頼っていました。インクルージョンを推進すればするほど聾学校の児童・生徒の数が減ってきた等の問題も出てきました。これからは,聾学校が,外に対して活動を展開(例通級教室等)していくでしょう。手話通訳・ノートテイク等の情報保障つきのインテグレーションしていくために,環境要因を,操作することが大切になります。そして,個人へのサポートは,「どのように支援するか?」から「何を支援するか?」に変わっていくことでしょう。「何を・・・」の部分で個人のニーズが大切となっていきます。これからは,個人のニーズに応じた教育体制が求められるであろうし,そのことは,聾学校の再チャレンジの時代として新たな役割が,求められることも意味すると思います。