5.教科指導法

分散会T
教材・教具の開発

広島県立広島ろう学校

沖 宏

教科指導法(分散会T/教材・教具の開発)では,13の研究発表が行われた。研究発表数を学部別に分類すると,小3,中5,高2,大学1,その他全般2であり,教科別等に分類すると,「国語・言葉」に関するものが4,理科2,英語1,家庭科2,美術1,保健・体育2,その他全般1であった。全体研究協議では,討議の柱を,1「教材開発とICT等の活用」 2「指導・支援の在り方と学力の定着について」の2点に絞り協議を行った。

1については,学校全体としてICTに取り組んでいる学校から,各種リンク集の作成,重複生徒のICTの活用による指導の工夫,プラズマディスプレー(PDP)を使用した提示の工夫等活用しているという報告があった。助言者からは,実際に教員がICT等使えているのかという指摘があり,各学校の研修内容についての情報交換を行った。情報モラル指導のための参考となるネットコンテンツ閲覧等研修会の実施,民間から講師を招聘して研修会の実施,また小学部でのプレゼンテーションソフトを利用した教材の蓄積等の報告があった。助言者からは,「ICTという方向性については,この方向で進むと思う。」と助言があった。

2については,各学校で色々な教材を使い指導し,少しずつ課題をクリアーしているが,本当に確実に学力の定着ができているのかという助言者からの投げかけがあった。「率直に従来の指導がうまくいかない日本の聾学校の子どもたちがいる」という現状から,「このままの指導法ではなく,授業者は常に問いかけていく必要がある」,「聾学校の子どもたちの絶対評価も必要だが相対評価がどうなのかという視点でもとらえ,本当に基礎学力が定着しているか検証が大切である」という助言があった。

最後に,助言者から「教材開発とICT」という題目で電子黒板「e-黒板」の活用等を通して,その有効性と注意すべき点について助言があった。聾学校での普及率は上昇し,現在20%前後まで上昇している。聾教育においては「タッチパネル機能,インターネットによる無料コンテンツの活用」等が福音であり,「注目点,視線の一致」,「静止画像の提示」「コンピュータ操作が可能」,「動画像の提示」「ペン書き込みの情報の保存」等,通常の黒板ではできないことが可能であり有効性がある。さらに,「授業法の変革」「教材の共有」「スクールネットやTV会議での活用」も期待できる。しかし,これらの教育情報機器による提示・使用で授業者は,児童生徒に「分からせた」という気持ちに陥りやすいという問題や,時間をかけて教材を作成した割には,あっという間に終わってしまう事等提示された。これらの教育情報機器の有効性はあるが,「内容を子どもたちがきちんと分かっているかどうか,確認をすることが大切であること」や,インクルージングの流れの中で,聴覚障害の特性を踏まえた「アクセス可能な教材」と「アクセス可能な指導法」を作っていくことが課題であるという助言があった。