3.自立活動
分散会U
発音・発語

筑波大学附属聾学校

石川 由香

先日のAPCDでは,第3分科会分散会Uに記録係として参加させて頂きました。こちらの分散会では,当初の発表件数から変更があり,当日は,午前は海外参加者の方が3件,午後は国内参加者の方が3件でした。私は午後のみの参加だったため,残念ながら午前中の発表は直接お聞きすることはできなかったのですが,後日記録を読ませて頂く機会がありました。

その際,青島中央聾学校(中国)のパン・チャオメイ先生の「社会参加を促す聴覚障害児の聞き取りと発話の能力を向上させるために」の発表後の質疑応答の中での,「よいイントネーションがあるからよいのではなく,パッションを持って熱意を持って話すことが大切である」というお話が,印象に残っています。発語のスキルだけを磨くのではなく,挨拶の仕方や話し方に心がこもっていること,また内容のある話ができることが,人として大切なことであると改めて感じました。

午後の発表では,群馬県立聾学校・大野先生の「日本語習得のための指導計画とその映像化」の中で,聴覚障害幼児に日本語の習得を図るために,言語の各領域について目標を具体化している点や,指導場面を映像化し,それを多くの教員で見ることによって指導法等の改善を図っている点に,よりよい指導法を追求する姿勢を感じました。

京都府立聾学校・佐藤先生の「話し言葉の指導計画」の発表では,質疑応答の際,話し言葉と書き言葉の矛盾について話題になりました。「がっこう」と書いて「ガッコー」と読み,「せんせい」と書いて「センセー」と読むように,日本語の中には表記どおりに発音しないものがあります。言語指導をする上で,話し言葉と書き言葉をどのように位置づけて指導していくかが,難しいところだと思いました。

新潟県立長岡聾学校・袖山先生の「カ行音の発音指導について」の発表は,「発音の指導法の併用」(事例では,カ行を指導する際の「うがい法」と「タ行誘導法」の併用)及び「単音から単語や文章への指導」についてでした。色々な指導法の中から,その生徒の実態にあった指導法を選択すること,そして単音の指導にとどまらず単語や文章の指導まで行うことが大切であるというお話は,非常にわかりやすいものでした。

今回この分散会に参加して,言語指導や発音指導は,その力の向上を目指すことはもちろんですが,それを用いるこどもたちの心の成長が一番大切だと改めて思いました。私は現在の勤務校に転任してきてからは,発音指導には直接関わっていませんが,自分の教科やホームルームの中で,今回学んだことをいかしていけたらと考えています。今回このような機会を与えて頂き,ありがとうございました。