2.早期教育
(幼稚部)

日本聾話学校

山畑 美恵子

幼稚部の分科会では海外から3件,国内から12件の発表がありました。どの発表も子ども達のためによい教育を求める思いは,国や地方の違いはなく共有できる物でした。「幼児が環境との豊かな関わり合いを深め,主体的に活動できるための支援とは。」という主題の中,【子どもの気持ちを育てる〜知りたい,伝えたい,ワクワクする気持ち】がキーワードになっていたと思います。大まかになってしまいますがまとめてみました。

まず子どもの気持ちや現状をしっかりと見つめ把握していくことの大切さがありました。授業(保育)の中でどのように発問をしたり子どものつぶやきを受け止めていけるのか,子どもの気持ちに添った展開をしていけるのか,これらを考えるために教師同士の研修や自己研鑽,そして保護者との連携が必須なのです。子どもに合わせた柔軟な対応やクラス編成など様々な取り組みを知る機会となりました。また授業研など互いの指導を見合い率直に話し合い,子どもにとってより良い方法や対応を考えて,教師自身の力量を高めていくことの学びもできました。保護者との連携では個別指導計画を考える上で,子どもの見方・評価が教師と保護者の間で差がある中,どのように子どもを見ていくのか,ビデオ利用などの意見も出されていました。

また子ども達の気持ちに直接響かせ,子どもの心を動かすための教材とはどんなものなのでしょうか。そのような教材研究の大切さもありました。子ども同士のやり取り,言葉だけではなく心のやり取りをも大事にしたクラスや縦割りグループでの活動の発表からは,子ども達の生き生きとした,そして楽しそうな姿が伝わってきました。経験したことを友だちや先生,家族に伝えたいという子どもの気持ちを大事にした,子どもの絵日記・教師の絵日記の取り組みは,各校で同じように行っている物を今後さらに工夫したり深めたりするヒントになったと思います。また歌や言葉のリズムを楽しむ子どもの姿もありました。アクロスティックの取り組みでは,教師側では音韻意識の向上を図るための扱いとしていますが,子ども達は言葉の勉強ではなく,言葉を教え込まれるのでもなく,素直に日本語のリズムや音そのものを楽しみ,言葉そのものをとても楽しんでいました。そして日本語の楽しさ,情感をも身につける機会になっているのです。

最後に私は,今回の分科会を通して教師の力量を高めるための校内研修の工夫や大切さ,そして子ども達の心に響く教材の研究の大事さを改めて感じました。その根底にある『子ども達の笑顔』『知りたい,伝えたい,ワクワクする気持ち』を何よりも大事なベースとして,これから私自身も研鑽してきたいと思いました。