小学部研究協議会
(高学年)

福島県立聾学校平分校

渡邉 智美

私が所属する学校は幼・小学部合わせて児童8名の小さな分校です。このような少人数の学校生活の中で,ことばを広げ,育てていくことの難しさに日々悩んでいます。そんな折,昨年4月に今回の小学部研究協議会で発表のあった『ことばを豊かに育てる100の事例集』に出会うことができ,全職員がそれぞれ活用し指導に取り組んでいます。今回小学部の授業を参観しましたが,どのクラスの授業でも,この事例集にあるような「聞く」「話す」「読む」「書く」の丁寧な指導を実際に見ることができ,とても勉強になりました。特に,分かりやすく,答えやすい発問の仕方が全学年を通して共通しており,児童が自信を持って積極的に答えていました。児童への関わり方について,共通認識のもと,一人一人に応じた指導がなされていることが十分理解できました。
 指定授業は小5年の国語を中心に参観しました。聴力レベルに差のある児童8名の学級でしたが,音韻サインを活用することで発音の意識が高まり,それがやがてことばの習得につながっていくと思います。そして,お互いの話を理解し合い,全員が次々と手を挙げ活発に意見を交換している様子に驚きました。授業研究会の際に授業者の先生,そして東京成徳大学の中山先生から,「授業だけが子どもの力を伸ばしていくのではなく,普段の生活のあらゆる場面での指導が子どもを伸ばしていく。」という話がありましたが,まさにその指導の賜であると思える学級でした。朝の会や休み時間などで話題になったトピックス等を取り上げて問題形式にしたプリントを朝自習や宿題等で活用しているということも聞き,このような指導・支援が子どもたちの積極的な話し合い活動につながっているのだと感じました。授業の展開については,授業研究会の中でも参加された先生方から様々な方法が挙げられましたが,授業者の先生の意図する,「読み取りをしっかり行ったうえで話し合い活動へ展開していく。わかっているだろうというところに落とし穴があり,丁寧な確認が必要である。事実関係を理解させるのが最も大切である。」という基本的なことでありながら,見落としがちになってしまう考えがしっかり押さえられてあった授業であり,多くのことを学ぶことができました。
 最後になりますが,中山先生からの話の中に「小学部段階からことばの獲得,知識の獲得,そして自立に向けて学ぶ必要性があり,今後も教師は専門性を深める必要がある。」とありました。学校の規模の違い,地域の違い,環境の違いはあると思いますが,子どもたちを育てていくということに対しての責任は同じであると思います。今後もこのような研修会が活発に行われ,我々教員の専門性が深まり,子どもたちへの指導につなげていければと願います。今回はこのようなすばらしい研究会に参加でき本当によい経験となりました。