20.寄宿舎教育

徳島県立聾学校
長谷川 美智代

本分科会では、「生きる力と豊かな心を育む寄宿舎について考える」というテーマのもと8校の研究発表とそれに基づく質疑応答、大泉溥先生の指導・助言を頂くという形で進められました。岡山県立岡山聾学校からは、舎生2名を対象に生活を見直し、自立生活をとおして個々の課題に合わせた取り組みの発表がありました。大泉先生から「自立部屋で生活する時は、指導員が口や手を出さないのが基本」との助言を頂きました。兵庫県立神戸聾学校は、強い自閉的傾向にある児童に対して、絵カードや時計を使用した訓練を行い、短期間で成果が達成できたということでした。舎生の行動問題をいち早く理解し、それに対して自信を持って適切な支援を行うという、学ぶことの多い発表でした。宮城県立ろう学校は、日課の中の自習時間を有意義に過ごさせるために、簡単なテストや生活に結びついたゲームを行い、学習意欲に繋げるということで、舎生が興味を持つ内容を考えた取り組みでした。岩手県立盛岡聾学校は、人との関わりの中で、コミュニケーション手段を考えながら、お互いが正しく理解できるように、日常生活をとおしての取り組みで大変共感できるものがありました。熊本県立熊本聾学校は、勢いある魅力ある寄宿舎をつくるために「規律」「学習」「公開・交流」の方針を打ち立て将来を見据えた取り組みの発表がありました。

午後からは、埼玉県立大宮ろう学校の発表からで、舎生が行事に主体的に参加し、踊りやパントマイムで自己表現することが、個々の自信に繋がっていきその時の楽しい様子が伝わってきました。茨城県立水戸ろう学校は、重複障害のあるS男について、将来施設への入所を見据え、学級担任・保護者・指導員が連携しながら、目標達成に向かって日々努力された様子がよくわかりました。北海道高等聾学校は、寄宿舎生活において日課や決まりを守ることが基本であることを、自治活動をとおして舎生が主体的に改善していく取り組みについて発表がありました。

助言者の大泉先生から、「寄宿舎は人の命を預かり生活している所です。失敗を恐れず、同じ失敗をしない、取り返しのつく失敗はいくらしても良いのです。そして、あなた達は、生活のプロなのだからチャンスを逃さずアドバイスをすることが大切です。」と述べられたことが大変印象に残りました。また、8校の研究発表は実践に基づいた素晴らしい内容のものでした。今後の、実践に生かしていきたいと思いました。