19.生徒指導・生活指導

宮崎県立都城ろう学校
田村 充子

本分科会では、「生徒自身の自主的に解決していく力に依拠しながら社会性を身につけさせ、豊かな人間性を育てるための生活指導の在り方を考える」というテーマのもと、2つの研究発表と協議、情報交換が行われた。

はじめに、山形聾学校の工藤智子教諭から高等部での指導実践の発表があった。問題となる行動内容の詳細は控えられたが、携帯電話を使った深刻な問題行動だということであった。「自分をみつめる」というノートを使った指導を通して、生徒自身が自分の行動をふりかえって反省し、希薄だった親子関係が徐々に改善され、絆が深まっていった様子が報告された。

堺聾学校の花畠旬教諭からは、携帯電話の使用に関する問題について発表があった。校内で生徒全員を対象に、「携帯電話のかしこい使い方」と題して指導を実践され、それについて発表された。内容は@盗撮A出会い系サイトとそれに関する事件B架空請求メールC携帯メールのマナーDかしこく使うための注意点E個人情報保護等である。そのほか、迷惑メールやチェーンメールの事例と対応についても報告があった。携帯電話には、便利さの裏側にいろいろな問題と危険が潜んでいる。使用方法、マナー、友人関係など利用者同士の問題と、迷惑メール、ワン切りなどの悪質業者の問題である。時代に合わせて、指導内容も進歩させる必要があり、今後も継続的して指導を行っていくとのことであった。

また、本大会に向けて、堺聾学校が府内の3つの聾学校の生徒、保護者を対象に「携帯電話に関する調査」を実施され、結果が報告された。いろいろな角度からの調査で興味深かった。携帯電話のデータにロックをかけているもの37%(携帯電話が無かった頃、電話での会話や誰からかかってきたかを親は知ることができたが、今は全くわからない)、授業中にメールをする生徒20%、使用料1万円以上16%など印象に残った。

協議の中で、各校から携帯電話の使用や問題等について報告があった。メール内容の誤解や友人への誹謗中傷、マナーの欠如、アダルトサイトの問題等で全国どこでも共通の問題を抱えていることが分かった。

助言者として、奈良県立ろう学校元校長の石原佳敏氏より、多くの含蓄あるお言葉をいただいた。「高度で便利なものには必ず落とし穴、危険が伴う。保護者にはその指導は難しく、学校が負わなくてはならない。聾学校の生徒は、言語力に加えて、先端技術を身に付けて社会にでていかなくてはならない。しかし一方で、メールでのやりとりは、閉じられた世界であることを認識しなければならない。携帯でいくら話しても、文字や記号の読み方を間違うと誤解が生じる。言葉や表情、目の動きを自分の目で確かめながらコミュニケーションを図ることが真の人間関係をつくることになる」などである。

本分科会に参加し、今後の指導に役立つ多くのことを学ぶことができた。心より感謝申し上げたい。