18.進路指導

福島県立聾学校

加藤 まり子

「めまぐるしく変化する社会に適応しつつ、自分の進路をしっかりと考え、つかみ取る力を身につけさせるための進路指導のあり方」というテーマで4本の発表がありました。

初めは大阪市立聾学校の中村先生です。進路指導の実際を報告していただきました。ほんわかした大阪弁の話しぶりにうなづく先生が多かったようです。自分の学校が抱える課題と共通するものやヒントがたくさんありました。

2つ目は、岡崎聾学校の古沢先生。以前「工場見学」として実施していた行事を「フィールドワーク」に変えて、生徒達が能動的に取り組むようになったという内容です。大学・短大・職安と企業など班に分かれ、訪問先を調べ積極的に質問する様子が報告されました。自分の進路を見据えて選択させること、訪問先は自己アピールの場であるという考え方などを、興味深く聞きました。

3つ目は、筑波技術大学の石原先生。聴覚障害者の職場適応の実態から見えてくる就労レディネスは何かという報告でした。自分の障害を客観的に理解し、自分のニーズを知る体験を重ね、障害とニーズをきちんと説明することのできる技術を、学校で身につけさせてほしいというお話しでした。午後の研究協議でも繰り返し議論されました。

最後は、筑波技術大学障害者高等教育支援センターの白澤先生です。全国の大学・短大における聴覚障害学生の支援状況や、筑波技術大学が他大学をどのように支援しているかについて具体的な報告がありました。想像以上に多くの大学で聴覚障害学生が支援を受けながら学んでいるのを知りました。PEPNet-Japan(日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク)が紹介され、聾学校も積極的にアクセスしてほしいとのことでした。

高等教育支援と就労支援の二つの柱で研究協議が進み、大阪東職安の森田氏・岩井氏、姫路養護学校の蒲田先生から助言をいただきました。自分をきちんと説明し協力を求め、かつ自ら努力する姿が周囲を変えていく事例が紹介されました。決して簡単なことではありませんが、学校での進路指導や自立活動での目標にしていきたいと思います。

全国の聾学校の進路状況をまとめた資料の作成、および進行・記録等担当された大阪市立聾学校の先生方、ありがとうございました。