17.交流教育

大阪市立聾学校
岡本 智

分科会17「交流教育」では、「聴覚障害児・者が、社会性や豊かな人間性を育むための交流の在り方について考える。」のテーマで5校の実践に基づく発表が行われた。

秋田県立聾学校からは、在籍幼児・児童・生徒数の減少に伴って危惧される諸問題(社会性の育成・集団保障など)の解決策として居住地及び近隣小学校との交流が成果をあげている実践例が報告された。愛知県立岡崎聾学校からは小学部5・6年生が実施している2泊3日の山の学習交流についての報告が行われた。自然体験を一緒に行う中でダイナミックな活動が展開されていた。大阪府立生野聾学校からは、ろう学生ボランティア(ひわまり交流会)の取り組みが紹介された。児童が手話に触れ合える環境をつくるとともに自分の将来像としてろう者の先輩と触れ合える機会があることに意義を感じた。愛知県立豊橋聾学校と兵庫県立神戸聾学校からは、国際交流に関しての報告があった。愛知県立豊橋聾学校では、カナダ・マニトバ聾学校との相互訪問の様子や同窓会やPTA、教職員などで組織する愛知県立豊橋聾学校国際交流協会を設立したことなどが、また兵庫県立神戸聾学校からはホームページがきっかけになった韓国の私立聖心聾学校との交流についての内容であった。2校共に交流の前段階からの苦労話や、費用や外国語の問題などについて困難を解決していく過程が楽しい様子で報告されていたのが印象的であった。

協議会では、「組織的、継続的な交流教育を進める上での課題」と「国際交流を進める上での課題」を柱にして協議を行った。学部毎に実施している交流教育をいかに組織的・系統的なものにしていくのか。交流教育を学校行事として継続していく中でいかに改善していくのか。重複障害の児童・生徒が増えてきた中での交流教育のあり方はどうすれば良いのか。などについて参加者各々の学校での実践を交えながら活発な協議が展開された。少人数の分科会だったこともあり、報告者の方の補足説明では、興味深い「こぼれ話」を伺うこともできて終始和やかな雰囲気で協議は進んだ。最後には、助言者の和歌山県立ろう学校 西 一也先生から、各々の報告について助言をいただいた中で、我々は重複障害の児童・生徒をサポートしながら、ろう児・者が主人公になって交流教育が展開されるように行動しなければならないというご示唆をいただいた。また、学校間連携授業の実践として県立和歌山高等学校との交流教育についてテレビ放送された番組を披露していただいた。少人数の分科会だったので、意見交換や報告者以外の実践報告が活発になされて良かった。確かな実践に基づいた報告をしていただいた先生方、司会・記録を担当してくださった先生方に感謝して終える。