13.重複障害教育

鹿児島聾学校
泉 隆文

本分科会では,「子どもたち一人一人が社会の一員として自立していく力を育てるための支援の在り方を考える。」というテーマのもと,研究発表がなされました。

兵庫県立姫路聾学校ではダウン症の児童へのトイレ自立へ向けた支援,愛知県立千種聾学校では多動の児童との係わり,山形県立山形聾学校では衝動的な行動の多い生徒への支援,愛知県立名古屋聾学校では年間テーマを設定した学習の取り組みのおける支援,愛知県立岡崎聾学校ではいきいき授業を通しての生徒への支援についてそれぞれ発表がありました。

発表の中で特に強く印象に残ったのは,千種聾学校の竹沢先生の保護者との連絡帳でのやり取りでした。子どものことをよく観察されていて,小さな変化や行動を見逃さずに捉え,保護者へ伝えている様子がよく分かりました。この積み重ねで,保護者との信頼関係を気付いていけるのだと,当たり前のことなのかもしれませんが,あらためて実感しました。竹沢先生の「子どもの良いところは文章でしっかり伝える。悪いところは頃合いを見て,言葉で伝える。」という言葉が心に残りました。

次に印象に残ったのは,名古屋聾学校の「年間テーマを設定した学習」でした。毎年,動物,乗り物,世界とテーマを設定し,体験を中心とした学習に取り組むことで生活経験を積んだり,コミュニケーション能力を図ったりしており,子どもたちが充実した活動をしている様子が伝わってきました。

これらの研究発表における,対象の児童生徒の実態は,ダウン症,多動,知的障害等と様々でしたが,共通して言えることは,実態把握がしっかりとなされており,その子の問題行動だけに注目するのではなく,その子の輝いている部分に注目し,伸ばしていこうという姿勢が感じられたことでした。そして,子どもたち一人一人の個性に応じた支援がなされているなあという印象を強く持ちました。また,発表ではパワーポイントやビデオ等の視聴覚機器が有効活用されていて,非常にわかりやく,機械音痴の私としては,見習わないといけないと感じました。

今回初めて,この会に参加しましたが,先生方の熱意を感じ,いろいろと良い刺激をいただきました。これからの活動に生かしていきたいと思います。