11.社会

岡山県立岡山立聾学校
寺岡 良徳

「児童・生徒の興味、関心を引き出す授業づくりを考える。」というテーマのもと、3件の発表があり、発表ごとに質疑応答・前田浩先生の指導・助言をいただくという形で進められました。

和歌山県立和歌山ろう学校から、青年海外協力隊の経験を生かした授業の実践例が発表されました。民族衣装を実際に着て授業をしたり、また撮影してきた写真を使用したりしての授業をされたそうです。結婚式や葬式などの様子を提示することで,アフリカの生活を実際イメージすることができ、アフリカの良いところを生徒に気付かせることができると感じました。現在,中学校の地理の学習は生徒が主体的に調べる学習が中心となっています。調べ学習を通して他の文化を認め、自分なりに理解していくことが、その後の手話文化を認めること(障害認識)の役に立つと話があり、主体的に調べることの大切さを改めて感じました。三重県立聾学校からは生徒に論理的な思考を身につけさせるための学習活動についての発表がありました。文章にまとめる前に、数学の証明を利用し順序立てて学習を進めて行くことで、論理的な思考を身につけるのに役立ったことがわかりました。普段から何気なく板書している記号(→,…)なども説明が必要だと気付かされました。大阪府立生野聾学校からは社会科の実践を通してのろう教育のありかたについて発表がありました。「教科指導は科学を教えることだ」という言葉には、はっとさせられました。生徒が時事問題に対して、主体的に関わり、どう対処していくかが大切であり、そのためには、授業で扱う内容についても精選していく必要があると思いました。「知識を教えるときには軸を教える」という言葉も参考にさせてもらいたいと思いました。

午後からの討議では,生徒がニュースや新聞などを見ないで,時事問題に興味を持てない、という意見が出ました。それに対して、助言者の前田先生から、次の助言をいただきました。生徒が授業に興味を持ち、主体的に取り組めるようにするためには「言語的な負担を受けないようにすることが大切である」と言われました。ニュースを見ないのは仕方がない。なぜなら生徒は見ていてもわからないからです。新聞も家族が読む習慣が無ければ読むはずがない。私たち教師は、生徒たちに社会的なものを見せ,考え方を育てていく必要があるのです。そして知的なことの楽しさを伝えていくことが大切です。

社会科は大切な言葉が多く、毎日の授業がその言葉一つひとつの指導に対して気をとられていたように思いました。社会科として、何を教えるかをいう理念をしっかり持って授業に取り組みたいと思いました。実り分科会となり、参加できたことを感謝したいと思います。