9.国語

長崎県立ろう学校
入口 千恵子

暖かい日差しが心地よい四日間であった。歩道には、街路樹にとけ込むように高村光太郎作等の彫刻が置かれ、建造物の周りに置かれたプランターではオレンジ色や黄色のマリーゴールドが秋の日に照り映えていた。

国語分科会は、「主体的な学び合いを通して、豊かな日本語力を身につけさせるための国語教育の在り方」というテーマで集団の中で伝え合い、思考を深める言語活動、豊かな日本力を身につけさせるための指導方法の向上をめざして8校の発表があった。

福岡直方聾は、「自ら考え、自ら発言できる子どもを育てる指導法の研究」で少集団での学習の場で多く意見の交換ができるように教師が架空の児童役をやってみたら話し合いの効果があがった。宮城小牛田校は、「確かな読み取りを展開させるための工夫」で「大造じいさんとガン」を読解させるために挿絵を入れたり、リライト教材を作成し、手話を使っての読み聞かせや話し合い活動での、支援の仕方を工夫した。愛知一宮聾は、「小低における読みのスキルを高めるための指導法」で小学部で教科学習を進めるとき、音韻が獲得されていない児童に対して実態に応じた教材を活用した。千葉聾は、「基礎学力の向上を目指した教科指導」で手だてとしては根気よく指導を繰り返すことが有効であるという結論であった。島根浜田ろうは、「書く力(文章表現力)の向上を目指したわかる授業の取り組み」で語彙量、多彩な表現法、書くという意識を持たせる等に留意して指導した。東京立川ろうでは、文科省の国語力向上モデル推進校としての研究から中学部の取り組みの発表で、「自分の考えを適切に表現する力を育てる」という主題で五つの柱を立てて研究した。奈良ろうでは「手話を活用して日本語の力を育てるために」で手話と日本語教育についての見解と低学年の説明文指導の発表であった。熊本聾は小学国語の手話デジタル教材のプロトタイプの作成で、小学四年の教材「ごんぎつね」を日本語文の手話ビデオとして制作したという発表であった。最後に兵庫教育大の鳥越教授から懇切な指導助言があった。

発表は七校が小学部で、一校が中学部であった。聾教育では初期段階の教育が重要ではあるが、高等部の発表が一校もなかったのは寂しく感じた。

全体会が開かれた中央公会堂は雰囲気のある建造物であり、東洋陶磁美術館には見応えのある作品があった。梅田スカイビル(空中展望台)は斬新なデザインで目を見張った。全国から参加された先生方、研究会以外で印象に残られたものは何だったでしょうか?