5.自立活動2  
−聴能・補償工学

鳥取県立鳥取聾学校

杉山 さやか

本分科会では、(1)補聴器の評価、(2)聴覚学習、(3)聴力検査の3つの柱で研究発表、協議が進められました。

まず、(1)については上越教育大学より子ども・保護者・教師による補聴器に関する主観的評価とその分析についての発表がありました。調査を中国で行ったということで、中国の補聴環境の現状について知る機会ともなりました。附属校からは、補聴器装用後の乳幼児の保護者の心情に関する発表がありました。聴覚障害が発見されて間もない保護者はショック、悲しみ、補聴器への期待などさまざまな感情を抱いており、慎重に対応していく必要性を感じました。

(2)については、横浜校よりパソコンを用いた聴覚学習の実践例が発表されました。文字と音声で情報提供をすることにより、聴覚学習を子どもたちが主体的に取り組める親しみやすいものとしている様子が印象的でした。こばと校からは、人工内耳装用児の聴覚学習についての事例が発表されました。指導の様子をビデオを交えて発表され、実態に即した指導を続けることで幼児が変容していく様子がよくわかりました。

(3)については、附属校よりVRA装置の試作と活用についての報告がありました。乳児段階では反応の有無を判別することが非常に難しく、発達に応じた検査の手法を熟慮しなければならないと感じました。また、京都校よりFMシステムの騒音下での聴取についての発表がありました。聴き取りの面で効果があるにもかかわらずFMシステムを活用していない生徒について、障害認識の観点からの支援が必要であるということでした。

助言者の中瀬浩一先生からは、各発表ごとに丁寧な助言をいただきました。まとめとして、今回の柱である「補聴器の評価」「聴力検査・補聴器適合」「聴覚学習」は相互作用を持つ関係であり、聾学校としてそのどれかひとつでも欠けてはいけないというお話がありました。最後に、今後への期待ということで「各校の評価基準の体系化」「教材の公開・開発・蓄積」「事例の検討」の3つを挙げられました。特に事例検討に関しては、この分科会の場などを活用して学校間で行っていく必要があるとのことで、京都校の細矢先生より京都校が関わっている研究会などを事例検討の場として紹介いただきました。

今回の分科会は、各校の先進的な取り組みについて知る良い機会であったともに、これまでの自分自身の実践に対する危機感を覚えた場でもありました。ここで学んだことを日々の実践に生かしていきたいと思います。