寄宿舎研究協議会

大阪市立聾学校

楠本 幸子

阪府下に聾学校は4校あるが、寄宿舎を設置しているのは市立のみであるため、建て替え年数が随分昔に過ぎている老朽化した寄宿舎を全国の方々に見学していただくことになった。まず、実際に部屋など施設を見ていただいた。その後、ビデオ・写真・寄宿舎だより等で生活の様子と行事の雰囲気を見ていただき、質疑応答の時間を取った。教室としていつでも転用できるようにと建てられた部屋ではあるが、机・タンス・ベット・ロッカーはいつでも移動できるため、その時々の舎生の好みで模様替えできる利点もある。意見としては、教室として建てられた寄宿舎に、今もなお生活している実態と宿直室がなく舎室で舎生の隣に寝ている状況に驚きの声があった。30年前の本校の聴覚障害児教育の歴史を物語っている。また、仮設で建てられたユニットバスを10年以上使っているなど、日々の生活に工夫なしでは快適に過ごせない本校の寄宿舎である。

話題提供のレポート報告は「特別支援教育と寄宿舎―本校における寄宿舎の役割―」をテーマに特別支援教育を視野に入れた寄宿舎のあり方と大都会に位置する大阪市内の寄宿舎が果たす役割を問題提起した。全国的に舎生減の傾向にある聾学校の寄宿舎で、なぜ毎年定員オーバーする入舎希望があるのか。保護者のみならず、子どもたち一人ひとりの教育的課題を明らかにする中で、個々に必要な寄宿舎の利用形態が論議になった。就学前(幼稚部)から成人(専攻科)までをトータルに見通すことが出来る寄宿舎の果たす役割は大きい。

また、個別の支援計画の作成についての意見交流もされた。しかし、学習指導要領が適応されてない寄宿舎にとって、支援計画の実施は模索状態であるため今後に課題を残している。(詳細は事後集録をご覧ください)