中学部研究協議会

大阪市立聾学校

中学部の研究協議会は、大阪市立聾学校の会議室にて開かれました。「交流教育について」がテーマとなっており、大阪市立聾学校中学部と大阪市立上町中学校との21年間におよぶ交流の取り組みが同校の山下先生、奥先生から報告されました。以下、その詳細を報告します。

同校から歩いて約15分の所に大阪市立上町中学校があり、はじめは必修クラブの時間における交流という形態をとっていました。ミニサッカー、テニス、手話などの必修クラブに聾学校生徒が分散して入っていく方法で交流活動が続けられました。また、大阪市立上町中学校の体育大会に聾学校生徒も入場式から参加し、さまざまな種目にもそれぞれの生徒なりにがんばって参加していたとのことでした。交流活動に先立って、聾学校の聴覚障害の教師が上町中にて人権講演を行ったり、上町中の学級活動等で聾学校との交流に関するオリエンテーションを実施したり、事前準備も十分配慮されていました。

こうして年々重ねられてきた交流教育もマンネリ化が見られるようになり、特に聾学校の生徒たちが交流に消極的になり、一部生徒に交流活動を嫌がる傾向も出てきたそうです。そのため、聾学校中学部教師集団として交流教育の意義と方法について話し合い、その中でこれまでの交流のあり方が見直されました。交流となりえていなかった原因はコミュニケーションがお互いに不十分であること、そのためには直接的で楽しいコミュニケーションの場面をゆたかにしていくことが必要であることが確認されました。

聾学校と上町中それぞれの交流教育推進担当者の話し合いを経て、15年度は「手話歌の合唱」、16年度は「手話紙芝居」の合同の取り組みが進められました。手話歌では聾学校生徒がそれぞれのグループに入って上町中生徒に手話表現を教えていく、実際の発表ではボーカルの面で上町中生徒がサポートしながら共に美しい手話で合唱していた様子がビデオ紹介されていました。また、手話紙芝居も「桃太郎」をテーマに両校生徒が並んで立って楽しそうに手話表現していたようです。聾学校生徒たちも、手話を教えていくなかで少しずつきこえる人とのコミュニケーションに自信をもてるようになってきた面が見られるという報告もあり、交流教育の原点を見る思いがしました。コミュニケーションの障害をどのようにバリアフリー化していくかという交流教育の古くて新しい課題について、大阪市立聾学校中学部が21年間取り組んできたということが理解でき、今後の私たちの交流の実践につなげていけるように感じられました。以上の報告を受けて20分間質疑応答がありましたが、生徒が居住する地域での交流はどうかという質問と、それに近い実践をしている聾学校の先生の報告がありました。