小学部研究協議会

大阪府立生野聾学校

梅本 裕子

小学部研究協議会では、最初に主事による本校小学部の聴覚障害児指導の紹介がありました。学習の様子、集団活動の取り組み、手話に関する小学部の確認事項などが紹介されました。子ども達の活動を撮ったビデオもあり、参加の先生方にも指導の様子が少し具体的にイメージしていただけたと思います。次に、主事の話・公開授業の2つについて、質疑応答が行われました。重複障害の児童が増加している学校の現状を受けてか、重複学級に関する質問が多かったように思います。また、手話を積極的に導入する最近の聴覚障害教育の動きも反映され、手話に関する質問も多数ありました。この二点に関して質問が集中したのは、全国の聴覚障害児教育に携わる先生方が同じ所で悩んでいるということなのでしょう。本校でも上の二点については、議論を重ねているところです。

本校小学部は以前「口話」「キュードスピーチ」がコミュニケーション手段の中心でしたが、手話を日常生活に導入しようという全校的な提案を受け、1999年度には「集団活動の場では手話を使う。」という小学部の確認がなされ、以後手話をコミュニケーションの中心に置こうと努力を続けてきました。参加者で以前の小学部をご存知だった先生が、「今回の公開授業は以前のキュードスピーチの授業と比べ、手話が入りわかりやすい授業に変わってきた。」と話されていました。手話の定着を心がける私たちにとり、非常にうれしい言葉でした。しかし、幼稚部から使い続けたキュードスピーチからの移行はそう簡単にいきません。子ども同士の普段の会話ではキュードスピーチを使うことも多く、手話を使うことに対して苦手意識を持つ子どももいます。手話を抵抗感なく、自分たちの言語として自然に使えるようにするには、教師が手話を積極的に使い、保護者も手話を使うことを理解し家庭で使用するという、手話の環境作りが必要です。質疑応答の中でも話がありましたが音韻を押さえるのにキュードスピーチは有効だし、他の要素もあり、キュードスピーチは小学部に残っています。参加の先生の意見を受け、キュードスピーチの扱いをどうすべきかが本校の課題だと考えさせられました。今後は、本校幼稚部・小学部・中学部・保護者も含めて、系統的でより有効なコミュニケーション手段について議論する必要があると思います。

こうした機会でもなければ他の学校の様子はなかなか知り得ないので、もっと他校の様子を伺いたかったのですが、1時間弱の研究協議会では限界もあり残念でした。しかし短くも参加者の質問・意見などから、本校の姿がよく見えてとても意義のある時間でした。参加の先生方、貴重な質問・ご意見ありがとうございました。