10.総合的な学習


宮崎県立都城ろう学校

桑山 祐子

第10分科会「総合的な学習」では、「子どもが主体的に学習し、豊かな人間性を育てる『総合的な学習の時間』の在り方」というテーマのもと、7校の実践事例発表がありました。筑波大学付属聾学校の「土器を学ぼう」の発表では、近くの大学との連携によって、専門家に指導してもらうことで、生徒達に興味をもたせることができ、生徒が進んで取り組む結果となったとの報告がありました。その際、大学側との綿密な打ち合わせや下準備をすることが成功の秘訣とのことでした。また、東京都立品川ろう学校は、ビデオ映画作成の中で、生徒自らが問題を解決していく力を身につけ、なおかつ上映後の他者からの評価により、生徒達が達成感を得ることができ、たいへん有意義な取り組みであったとの報告でした。

午後からの研究協議は、1.年間計画、2.小・中・高等部の系統性、3.評価、について協議がなされました。それぞれ意見が出されたが、特に小・中・高等部の系統性については、中学部では「自分の障害を受け止めること」について学習をし、高等部では「障害を受けとめたうえで、自分には何ができるのか」を自分で考えるという流れで学習しているという発表がありました。やはり、「子どもが主体的に学習する」とか「豊かな人間性の育成」というものは一朝一夕でできるものではないので、このように小・中・高と時間をかけて身につけさせていくことが必要だと感じました。評価についてはその都度行っているが、例えば評価シートのようなきちんとしたものは作っていないとか、決まった評価の方法を決めていないというのが現状、という意見が多く出されました。それをふまえて、最後の講評では、愛知教育大学教授の寺西和子先生が研究されている「ポートフォリオ評価」の紹介がありました。ポートフォリオとは、生徒個人の「集積された学習ファイルやフォルダ」のことであり、ポートフォリオ評価とは、その「集積された学習ファイル」を活用し振り返り活動や話し合いの場に活用し、自己評価や相互評価、さらには自分の学びの再構成を行うことである。このポートフォリオ評価も万能な評価ではないので、従来の評価方法と組み合わせることで、よりよい適切な評価ができるとのことでした。総合的な学習において各校、個性的な取り組みが実践されているが、評価となるとまだまだ確立されていない学校も多いようです。そんな中でこの新しい評価法説明はとても参考になるものでした。今後、総合的な学習における評価法としてぜひ取り入れてみたいと思いました。 

今回の分科会では、多くの学校の実践事例報告と新しい評価法の説明、活発な意見交換などで考えさせられることや参考になることなど多くあり、たいへん有意義なものでした。