8.表現活動


広島県立広島ろう学校

魚坂 るみこ

本分科会では「創造活動を通して子ども一人一人の持ち味を生かし、豊かな心や表現力を高めるための指導・支援のあり方」というテーマもと、7本の発表があり、発表ごとに質疑応答・山本正英先生の指導・助言を頂くという形で進められた。

東京都立杉並ろう学校から、身体づくりに「さくら・さくらんぼ」のリズムを取り入れてから子どもたちの身体の動きや運動能力が向上し、この身体つくりを土台にして絵本「とべバッタ」「おたまじゃくしの101ちゃん」のリズム劇に取り組むことによって、子どもたちの心と身体の成長がみられたという実践が報告された。ビデオの中で楽しそうに身体表現をしている子どもたちの姿が印象的であった。

筑波大学附属聾学校からは、聴覚に障害がある子供たちに楽しく音楽の基礎的な力を付けていくための様々な配慮と工夫として、「聞こえる、聞こえないことを大切にする。」「歌の内容を理解させるために歌の情景を想像して絵を描かせる。」「スモールステップのプリントを利用する。」等、きめ細かな実践が報告された。

東京都立立川ろう学校愛知県立名古屋聾学校から「文化祭を通して」の報告がされた。生徒同士の関わりの変化や成長の姿、生徒たちが個性豊かな表現活動をしていくための支援の方法についてと学校生活の中で生徒たちの表現活動をどう仕組んでいくか等、表現活動の大切さが話された。

愛知県立岡崎聾学校からは、8年前から市内の盲・聾・養護学校に呼びかけ、実施している合同作品展(ハートフルっ子展)への取り組みについての報告がされた。合同開催することで、他の障害に対する理解も深まり、また、発表の場を作ることで創作活動も意欲的になっているという報告がされた。3つの学校で合同開催というスケールの大きな取り組みに驚き、美術館に展示するということが生徒たちにとって良い刺激になり、創作意欲に繋がっていると思った。

愛知県立豊橋聾学校から小学部「和太鼓」、中・高等部「ダンス」、高等部「版画の表現」の実践が報告された。その中で生徒が意欲的に取り組める題材をどう設定するのか、支援、評価の大切さが話された。

岐阜県立岐阜聾学校から和太鼓部の実践が報告された。「合わせる」工夫、リズムを覚える工夫が話された。和太鼓の演奏のビデオは素晴らしいものだった。

発表後、あらためてテーマに添って各学校から報告があり、その中で、子どもを認めていくことの大切さ、発表の場の保障、授業の中で自信を持たせ、達成感が持てるようにしていく等の共通認識が持てたように思う。

助言者の山本先生から、「安心して落ち着いて活動できる場をつくり、信頼関係の基にのびのびとした表現、豊かな表現がある。達成感をどう導いていくかが大切である。少しステータスの高い場を与えることがモチベーションに繋がる。また、聴覚障害者と健聴者とでは視覚機能に違いがあると思うので、そのことを考えて題材を選んでほしい。身体表現と美術を結びつけた表現活動を考えてみよう」という今後の方向と支援のあり方を示唆する助言を頂いて分科会は閉会しました。