6.算数・数学


大阪府立堺聾学校

前田 直広

算数・数学的な見方や考え方のよさが分かり、それらを積極的に活用する能力と態度を育てる指導のあり方」というテーマのもと、午前中は情報機器を活用した指導法に関する発表が4つ、午後はその他の指導法に関する発表が3つ行われた。

横浜市立聾の太田先生から正の数・負の数の加減乗除の自作ソフトを活用した取り組み、宮城ろうの中村先生からインターネットを活用した共同学習の取り組み、岡崎聾の稲垣先生からから学習ソフトを活用した取り組み、岐阜聾の井深先生からフリーソフトを活用した取り組み、一宮聾の石本先生からピラミッドの制作を通した取り組み、上越教育大の黒木先生から校外支援との連携についての取り組み、酒田聾の阿部先生から平行四辺形の作図をする活動についての取り組みが発表された。 

今回の分科会でポイントとなったことをいくつか紹介をしたいと思います。

(1)教師側で線を引いていないか?

 何人かの先生から発言があったが、聾学校の生徒にはこの問題はできないのでは?と教師側で決めつけていないだろうか。学習教材をCDにし、家庭での学習にも使えるようにしている取り組みや、「一緒に問題文を読み、問題の意味が分かると、解決出来ることも多い。(数学的につまずいているのではなかった。)」など。

(2)リアルとバーチャル

コンピュータを使って学習を進めるときに、実体験をどう扱うか。討論の中で、「量を体で分かることが必要」という意見もありましたが、「目的がはっきりした状態でコンピュータを使っている点で素晴らしいものでした。」(助言者 石神先生)と言われているように、今回の発表は、授業の中で実体験を踏まえての実践でした。リアルとバーチャルの良い面を使いたい。

(3)学習集団の小規模化・固定化

聾学校の生徒数の減少が続いている中、多くの生徒は小さい頃から同じ集団で学習している。この学習集団を広げる取り組みとして、ネットワークを活用した共同学習が有効で、今後このような共同学習が広がり、生徒達が異なる学習集団の中で、学習する環境ができるのではと期待している。

(4)SPP(サイエンス・パートナーシップ・プログラム)

大学・研究機関等の研究者等を特別講師として学校に招へいして学習等を行うシステム。今後の広がりに期待したい。

(5)情報の共有化

岐阜聾学校では、授業で使えるフリーソフトをサーバーに蓄積し、どの先生も活用出来る環境を整えている。また、「教員間の情報交換ができればいいな」という意見も出された。筆者が運営しているtsd-ml(the Teachers of School for the Deaf-ml)の紹介もさせてもらった。メールアドレスをE-mailで筆者宛に送って頂ければ参加して頂けます。メールアドレスは n_maeda@kawachi.zaq.ne.jp です。

台風が吹き荒れる中、先生方の熱心な討議が行われ、有意義な分科会でした。