5.国  語


宮城県立ろう学校

高橋 幸子

国語分科会は、「文章をより正しく読んだり豊かに表現したりする力をはぐくむ指導の在り方」というテーマで実践に裏付けられた7件の発表とそれに基づいた活発な討議が行われました。また、助言者の中山哲志先生から読み書きの力をつけるための方法や国語授業の在り方について適切な助言をいただきました。

午前の発表は、「読む力と書く力を育てるために試みた実践例(聴覚障害教育に約30年携わって思うこと)」(宮城校)、「読む力、書く力を身につけるための指導支援の在り方について」(岡崎校)、「国語力の定着をはかるためについて」(名古屋校)、「手指モードを利用した聴覚障害生徒への漢字の読み指導について」(福岡高等聾校)の4件でした。主な質疑応答や意見交換された内容は、わたりの指導や聴覚口話法、指文字学習と漢字の読み方について、学習形態や評価規準、使用教科書等についてでした。また、読解を容易に導くために考えられた課題のプリントやサブテキスト、生徒の実態のとらえ方、客観的な国語力のとらえ方等について協議がなされました。

午後の発表は、「確かな読み取りが展開されるための工夫について」(宮城小牛田校)、「読む力・書く力をはぐくむ指導法の共有化と検証」(一宮校)、「授業実践を検証し、認識や思考に裏打ちされた国語教育を目指して」(千種校)の3件でした。その中から、確かな読みを育成するための授業の在り方について熱心に討議や意見交換が行われました。主な内容は、さまざま視点から試みられた読みの環境設定や教材の工夫、指導の共有化、日々の生活の中で、共感しあいながら読みのスキル向上を高める実践例等についてでした。

助言者の中山先生から、次の助言をいただきました。読み書きの力はそう簡単に身につきません。聾教育の歴史や先輩の先生方の実践から学ぶことも大切です。さまざまな言語獲得の方法や9歳の壁を乗り越えるために実践した指導や研究がたくさんあります。言語指導や聴覚活用、手指モードを含めて教育の可能性等を家庭・学校を含めて取り組んできました。また、授業実践の検証を行いながら子供の心情や意欲・興味関心・障害認識・思考力等を私たち指導者はどう理解しているか。見え難いところを探るのが大切でしょう。「分かった」という場合は、いろいろな角度から確認し合う作業が必要ですし、子供の側からこの先生には伝えたい、分かってほしいという気持ちを喚起させるようにするのが良いでしょう。疑問詞の理解(5W1H)について、疑問詞の理解がなぜできないか。発達心理の上から考えて欲しいと思います。子供の背後にある認識の程度等を踏まえて、発達モデルを参考にしてやるのも一つの方法です。問いを求める指導が大事と昔から言われています。意味の拡充や理解を図ることで子供が気づかないことを広げたり補充したり、場に即した意味付けをする先生になってほしいとも思います。7件の研究発表は実践に基づいた立派な発表でした。感謝して終わりに致します。