4.早期教育−幼稚部


香川県立聾学校

松永 美和

大会二日目。台風の真っ只中、海岸沿いのホテルにて研究協議分科会が行われた。私は幼稚部の研究協議に参加し、「幼児が豊かなコミュニケーションを身に付け、生き生きと活動できる支援の在り方」をテーマに、11校の聾学校の先生方の発表を聞くことができた。子どもたちの様子をビデオにおさめ、それを分析していたり、「遊び」の様子を細かく観察し、それを発表したりと、各校それぞれ工夫されており、たいへん参考になった。

香川県立聾学校に赴任してきて9年、私はずっと幼稚部の子どもたちと過ごしてきた。一緒に遊んだり、いろいろな行事を経験したり、一緒に笑ったり、時には叱ったり・・・。そんな私が今回の研究協議会に参加して改めて感じたことは、「先生が大好き」という子どもの気持ちが一番大切だということだった。ある聾学校の先生もそのことを強調しておられた。そのためには、教師が保育そのものを楽しまなければならないという助言もあり、本当にそのとおりだと思った。「先生が楽しくないと子どもも楽しくない」という一言が、深く私の心に刻み込まれた。

また、保護者への対応や援助の仕方なども具体的に学ぶことができた。保護者―特に母親とのコミュニケーションがスムーズであることが、子どもに安らぎを与え、ひいては、その子どもの表現力の基盤となり得るとのことであった。しかし、実際に難聴の子どもを前にした母親を襲うのは「聞こえないこの子とどうコミュニケーションをとろうか」という不安である。そういった保護者を私たち教師が支えていく必要がある。そのためには「表情」であるとか「共感しあう」とか、具体的手段を指し示してあげることが大切であるとのことであった。毎日、保護者と接している私にとっては、たいへん共感できるものであったし、またその難しさも感じた。というのも、具体的手段は言葉で伝えられるような簡単なことではないからである。日々の保育の中で、私たちが子どもと関わっている様子を見てもらったり、その日の子どもの様子を細かく伝えたりすることで保護者に理解してもらわなければならないと思っている。理解してもらった上で、子どもと接する時の不安を取り除き、学校と家庭が連携して子どもの育ちを支えていくことができれば最高である。

最後に、全国の先生方の取り組みや、その中で起こってくる問題点や悩みなどを直接聞くことができ、私自身の日々の保育を振り返ることができたと思う。そして、またいろいろなことに挑戦していこうという前向きな気持ちを持つことができた。今後の実践に生かしていきたいと思う。