高等部教育

北海道高等聾学校
谷  弘人

 のちに全国で大きな被害をもたらした超大型の台風23号が接近前の雨模様の中、大会1日目午前、生活単元学習、数学T、世界史A、被服製作、課題研究の5つの指定授業があり、それに基づいて午後から研究協議が行われました。

 重複1〜3年合同グループの生活単元学習は「紙すき」の授業でした。参観者が大勢見守る中、緊張して堅くなったり、生徒が教室から飛び出すハプニングがあったりしながらも興味をもって作業に取り組んでいました。今後の計画として、紙すきで作ったハガキを学校祭で販売することで店員の経験をし、その売り上げでお楽しみ会を企画することで、話し合いや買い物学習につなげていくという説明でした。個々の学習が関連をもって展開されていて感心させられました。

 1年の数学T「方程式と不等式」はパワーポイントを活用して授業を展開するという興味深いものでした。板書する時間を節約できるなど利点がある反面、教師中心の発信で1つの流れができてしまうので、生徒の実態に合っているのかや、双方の発信についてなど今後の検討課題も出されました。また、数学用語の手話表現が校内で統一されていないので、学習で使う手話の全校的確認が必要では?という問題提起もなされました。

 2年の世界史A「ギリシャ・ローマの文明」

では歴史的認識を育てるという観点から「何かが起こったのは何故か?関わった人の苦労、思いはどうか」について生徒に考えさせることを重視しているとのことでした。聾の先生によるこの授業に対し、参加者からは「授業を見て感動した。聾学校で聾の生徒の立場に立った授業だった。表情も豊かで、絶えず生徒が理解しているかを見ていて、すごく良かった。」という発言があり、聾学校における聾の先生の必要性も語られました。

 2年の被服製作「和服の着装」では、自分の製作した浴衣を着ることで、自分の作品に愛情をもつことができ、縫っているだけでは気づかないことが実際に着ることによってわかるという効果について語られました。生徒は帯結びが出来たときにはとてもいい表情をしていたということでした。

 専攻科1年の課題研究「在来・軸組み工法による木造建築の研究」は2名とも滋賀聾の卒業生だとのことです。久しぶりに現れた木工希望者のための授業に、先生方も張り切っている様子が話の端々に表れていました。機械の取り扱いに関する安全指導や今回の専攻科生のように他校から進学してくる場合のカリキュラムの問題などが話し合われました。

 その後、全体協議が行われ、卒業後の進学状況や進学に向けた補習体制について情報交換が行われました。限られた時間の中で、5つの授業研究・全体協議と密度濃く勉強させていただきました。主催校の先生方、本当にありがとうございました