小 学 部 教 育

福岡県立福岡聾学校
古賀 博之

聾学校に赴任して7年目になりますが、全日本教育研究大会に参加するのは初めてです。出発前から台風23号の進路が気になりながらも、期待に胸膨らませての参加となりました。

 三重県立聾学校小学部は「生きる力を育てる指導・支援について考える」を研究テーマに自立活動の学習が行われていました。

 指定授業は、3年生自立活動「伝える文」と4年生自立活動「絵本をしょうかいしよう」でした。4年生の自立活動「絵本をしょうかいしよう」では、読書発表会で紹介したい本の紹介文の書き出しの指導でした。「どんな書き出しができるか。」との教師の問いかけに、前時に書いた構想メモをもとに積極的に発表する子ども達の姿が見られました。子ども達の発言を丁寧に扱っている教師の姿が印象的でした。また、本の中での会話文や本を読む人への質問から始める、など構想メモにない書き出しの工夫について教師からの提示がありました。4名の児童のうち一人の男の子が教師の提示をもとに書き出しを書いていました。そのことを教師がしっかり取り上げて子どもを褒めてあげていました。ただ、常に教師を介して授業が進められており、子ども達の実態からも、子ども同士のやりとりする場面をもうけてもよかったのではないかと感じました。協議会でも意見としてでていましたが、誰に紹介するかという目的意識が大切で、それによって選ぶ本を考えさせたり、紹介文の書く観点を明らかにして、お互いに推敲したり評価し合ったりできるのではないかと感じました。授業の最後に子ども達が書いた書き出しの文を自分で板書していました。丁寧に板書する子ども達の姿に日頃の学習の積み重ねを感じました。

 午後の協議会では、授業者から学習のねらいや本時学習についての説明がありました。その後、三重聾学校の研究の概要についての説明と意見交換が行われました。どのようにコミュニケーションや日本語を獲得させていくかの問題提起がなされました。様々なメディアを使う子ども達の実態がある中、職員間での共通理解を図ったり、手話の研修を行ったりしてきた経緯を説明していただきました。また、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことについての基本的な考え方についての説明がありました。

 最後に助言者で皇學館大学教授、松下先生からお話をしていただきました。子どもが何が言えて何が言えないのかを教師がはっきり認識し合うことが必要であること。また、文の意味をどれだけ捉えさせることができるか、一緒に感じ一緒に作ることが必要であるという指導・助言でした。