16.総合的諸問題


大分県立聾学校

足立 祥子

本分科会では、『次代を担う幼児・児童・生徒の育成にかかわる諸問題を多面的、総合的に考えよう。』というメインテーマのもとに9本の研究発表を4つのテーマにグループ分けして、発表・協議が行われました。

第1グループは、「通級指導、センターとしての役割」。通級生の支援やセンター的役割には、難聴児理解のための情報の発信・提供、地域の難聴児に関する情報収集など関係機関とのネットワーク作りや学校内外の連携のあり方が子どもの支援にとても大切なことだと感じられました。特に思春期における通級部での指導はself-esteemにかかわる支援にも大きな役割を担っていると感じました。

第2グループは、「指導計画の基本、評価のあり方」。個別の指導計画は学級・学年・学部、また教員個人によって温度差が感じられることもあり様式の統一の難しい点もあるとのことですが、評価をするために自分の受け持ち以外の子どもの実態をよく見て職員間の意識統一ができるという成果があげられました。どの発表からも子どもの実態を把握し、ニーズに応じた支援につながる視点を考えることができました。今まで積み上げてきた聾教育に新しい情報や子どもの実態に即して気持ちだけでも変わろうという思いで取り組まれてきたということが印象的で意識改革も必要であると感じました。

第3グループは、「成人ろう者とのかかわり、生きる力を育てる実践」として、ろう者としてのアイデンティティの確立に余暇活動や授業の中でロールモデルとなる成人ろう者との交流を通した活動の発表でした。ロールモデルや手話については、難聴児等それぞれの子どもの状況やニーズに応じた配慮が必要であること、手話ビデオについては読み書きにどうつなげていけるのかとのご指摘もありましたが、ロールモデルも様々な方がいて地域との継続的な活動の場によって聾学校とのかかわりが持て、学校教育の場にもつなげていけるのではないかとのことでした。

第4グループは、「情報提供のためのパソコン教材」として、初めて体育的活動を担当する時にろう学校生への指導方法や配慮事項についてまとめたパソコン教材についての発表でした。日々の実践をわかりやすく整理され、動画や写真等で実際の指導場面がイメージしやすく、クイズ等も盛り込まれ楽しみながら活用できる教材でした。作成する過程で先生方が楽しみながら教材作りをされた様子がうかがえました。

時間の都合で1つ1つ十分な討議はできませんでしたが、4本の柱に沿って分科会参加全校に各学校の現状報告等の情報交換ができました。最後に指定討論者の先生よりまとめていただき盛りたくさんの内容で充実した1日を終えました。特別支援教育のセンター的役割として新しい聾学校作りのため、これからもっと学校全体に目を向け、学校全体が機能している中の一人として、自分がどうかかわっていけるのか考えながら実践していきたいと思います。