9.情  報


栃木県立聾学校

平井 謙司

本分科会では、「情報化時代を迎え聴覚障害児の社会参加形態も多様化している背景を踏まえ、メディア活用と情報化に対応した教育のあり方ならびに諸課題について考えよう」というテーマのもと、前半は北海道札幌聾学校より「情報教育についての取り組み」、大分県立聾学校より「聾学校小学部における『クローズドキャプション』の導入について」、神奈川県立平塚ろう学校・東京都立葛飾ろう学校より「3D-IESを使った実践など」、筑波技術短期大学より「手話を用いた英語学習教材の開発」の研究発表が行われました。

後半は高校生向けのビデオ「やさしい光技術 」を視聴後、ビデオに字幕を挿入するソフトの紹介、筑波技術短大で実践されている通信衛星システムによる字幕を利用した遠隔授業の実践やリアルタイム字幕提示システム、岐阜県立岐阜聾学校の情報教育の取り組みについての報告、参加者全員による情報交換が行われました。

また、本分科会の模様はインターネット回線を通じて聾学校3校にライブ中継されており、情報分科会らしい先進的な雰囲気で進められました。

助言者の田村先生から、障害児のコンピュータ利用の意義として「障害を補う道具としての利用(聴覚障害の場合は情報保障の手段として)」「楽しく効果的に学習を進める道具としての利用」「QOL(生活の質)を高めるための情報入手手段としての利用」が挙げられるとのお話をいただきましたが、本分科会はそれらすべてが網羅されており非常に充実した内容でした。どの発表も示唆に富むもので、教育活動にすぐに生かせるものが多くとても参考になりました。質疑も活発に行われ、多くの意見が交換されました。

特にアバターを使った3Dチャット「3D−IES」の実践報告は、聾学校専用のサーバー内で安全に楽しく学習できるものであり興味深く聴かせていただきました。携帯電話等の情報ツールが急速に普及してきた今、とても効果的な情報モラルやマナーの指導教材であると感じました。

最後にライブ中継先の大阪府立堺聾学校の前田先生からテレビ会議システムを通してメーリングリストへの参加の呼びかけがありました。本分科会を通して、情報教育の分野では情報機器導入の予算面、システム管理等の情報担当教員の時間的な負担、教員への研修等の課題が山積していることを痛感しましたが、今後もメーリングリストを利用するなどして多くの先生方と情報交換しながら教育実践に生かしていければと思いました。