8.算数・数学


北海道高等聾学校

小松 徹

本分科会では、「子どもたちが算数・数学を学ぶことの楽しさや充実感を味わえる授業のあり方について考えよう。」というテーマを基に7本のレポートによる発表がなされました。

山形県立山形聾学校からは、中程度の知的障害を併せ持つ小3の児童に対する足し算・引き算の指導において、5−2進法を使いながら繰り上がり、繰り下がりの計算を、指を使わず積み木の操作や補助記号付きの筆算を指導することによって成果を上げたという報告がされました。

東京都練馬区立大泉小学校からは、前年度に大塚ろう学校で行った小2のかけ算九九の指導において、子どもの「気づき」を大切にしながら九九の塔を実際に作らせて視覚にも訴えたり様々なタイプのプリントによる取り組みを通して九九を身につけさせていくという実践報告がされました。

愛知県立岡崎聾学校からは、計算力を向上させるために4年生に対して毎朝のドリル学習、授業の最初の「計算チャレンジ」、意欲が持続する工夫、実態に合わせた学習グループ編成などにより、基礎・基本が定着し力が伸びているという発表がありました。

岩手県立盛岡聾学校からは、基礎的・基本的内容の定着のために、フラッシュカードによる四則計算、100玉そろばんやTossノートを使ったノートの取り方の工夫など具体的な指導方法を紹介され、明日からの実践に役立ちそうな報告を聞くことが出来ました。

上越教育大学の発表では、発展的な学習教材の開発ということで、平行四辺形や三角形の面積を求めるための公式を導き出すための色々な方法がすべて関連づけされること、また、実際に折る作業で三角形の内角の和が180°であることを確認する操作を体験させていただき、「構造的に見る」ことの大切さを知らされました。また、毎月1回土曜日に都立の聾学校児童・生徒対象の「数学教室」での作業活動を取り入れた教材についての紹介もありました。

宮城県立ろう学校からは数学的表現力を育成するための取り組みとして、作図の方法を言葉で説明させること、また、天秤を使って重さを比べることの説明で、Web教材による操作をさせながら言葉や図や記号を理解させていき、数学的な表現方法・記号・用語の良さをわからせたという実践報告がされました。

そして最後に指定討論者の森本先生から各レポートに対する感想をいただきました。

今回のレポート発表を聞く中で、インターネットの活用、情報の収集と交流がこれからはとても大事になってくると感じました。インターネットを開くと数学に関する様々なサイトがあります。その中から使えるもの、使えないものを実践しながら取捨選択し、それをまた発信していくということが、さらなる数学教育の発展につながっていくのではないかと強く感じました。1つのテーマに対してたくさんのレポート発表を聞くことが出来、大変ためになった分科会でした。