7.国   語


兵庫県立姫路聾学校

藤尾 ひとみ

国語分科会では、「主体的な学びをとおし実生活の中で活用できる日本語教育について考えよう。」というテーマのもと、7校の研究発表がありました。以下、討議の内容を感想を交えて報告いたします。

グループ1「読む力、書く力をはぐくむための教材研究の工夫」(愛知県立千種聾学校)2「小学部1〜3年合同による国語科研究」(宮城県立ろう学校小牛田校)この2校に関して、国語科の助言者である久米先生より、(1)教材研究の視点について(2)少人数化が進む中どのように学習集団を保障していくのか(3)発問の仕方についての問題提起がありました。教師の問いかけで「どうしてそう思ったの?」など発問の重要性が中心に討議され、「開いた質問」、「閉じた質問」について話し合われました。

グループ2「読みと自立活動をつなぐもの」(群馬県立聾学校)2「聾学校における量的研究と質的研究を統合した授業研究」(大阪府立堺聾学校)3「個々の個性を生かした対話的授業を目指して」(日本聾話学校)久米先生からの問題提起は、(1)ディベートの課題について(2)発問・指名の仕方(3)授業での工夫。発問・指名の仕方して、「教師の要求水準の質が授業を決める」との助言があり、教師に課せられた大きな課題に身の引き締まる思いがしました。

グループ3「聾学校高等部生徒の作文分析と作文学習例」(兵庫県立神戸聾学校)2聴覚障害児の文の誤りの特徴(東京都立石神井ろう学校)「なぜ書けないのか」「どうすれば書けるようになるのか」という久米先生の問いかけについて活発な意見が各校から出されました。久米先生からは、書けない理由として「『言葉が足りない』『言葉がない』という理由だけで片付けるのは誤りである。認識の仕方・物の見方・感じ方を絡めた指導がなされなかったことが理由として挙げられるのでは」という問題提起がありました。また、「心を育てること、伝えたい相手に伝えたい気持ちを持たせ、書いて得をしたという体験をたくさんすることが必要だ」「添削指導を繰り返しても、自分自身が必要だと思わなければ身につかない。書き慣れることが必要である」という提言があり心に強く残りました。

最後に印象に残った久米先生のお話を紹介し、国語科の報告といたします。「書くことによって自分の首を守った話」―自閉的な子どもが卒業後、スーパーに就職し倉庫係になった。ある日、倉庫の商品が散乱し、その子が眉間に傷を負って立っていた。店長はその子が頭突きをして商品を駄目にしたんだと思い込み、母親に事情を説明した後、解雇を申し渡した。その晩、彼の日課となっている日記を読んだ母親は本人がしたのではないことを知る。彼の日記には、「・・側にいた子に突き飛ばされた。」と書いてあった。つたない文ではあるが、あったことをあったままに書いたことにより誤解は解け首はつながった―書く力は正に生きる力なんだと再認識させられるお話でした。本分科会において、今後の国語教育に対する示唆をたくさん与えていただきました。ありがとうございました。