通 級 部 教 育

富山県立高岡ろう学校
柳田 由紀

準備された椅子だけでは足りなくて、急遽10脚ほどの椅子が準備され、熱気あふれる雰囲気の中、通級部研究分科会は開催されました。

はじめに、今回の第37回全日本聾教育研究大会の主幹校である平塚ろう学校の大石先生から「通級指導教室開設3年目を迎えて」と題して、通級指導教室の概要について説明がありました。それは、校務分掌での位置付け、集団指導の設定、地域の難聴・言語障害教育研究会との連携など、通級指導教室を開設して間もない多くの聾学校の担当者にとって大変興味深いものでした。

続いて、本大会開会以前に研究分科会参加校を対象として実施されたアンケート『聾学校の「通級による指導」の現状と課題について』の集計結果の一つ一つの項目について、各校の現状と課題を明らかにしました。この協議では質問や報告が次々と出され、活発なものとなりました。注目されるものには、次のような意見や事例がありました。通級、巡回、サテライト方式の指導形の中では巡回より通級の方がモチベーションが高いという意見。集団指導を課業中だけではなく夏季休業中にも設定して、聴覚障害のある大学生との交流の機会を設定している事例。多くの聾学校では地元の難聴・言語障害教育研究会と交流をし、インテグレーションをしている子どもへのアプローチの場となっている事例。

その他、就学奨励費、巡回指導の旅費、通級指導教室の立ち上げの苦労話などについて、有意義な情報交換の場となりました。

最後に、国立特殊教育総合研究所の松村勘由氏に、『聾学校「通級による指導」の展望』としてまとめていただき、課題として以下の2点があげられました。第1に通級指導を校内組織に位置付けることが必要であり、同時に人員配置や機能・役割を明確にすること、第2には地域のセンター的役割を担う地域での位置付けを明確にすることです。

高岡ろう学校は「通級による指導」を法制化される以前の平成2年から実施していますが、今回この研究分科会に参加して「井に中の蛙」であったことを痛感しました。ここで学んだことを持ち帰って、本校の「通級による指導」を見直したいと思いました。

今後の特別支援教育を展望して初めて開かれたこの通級部研究部会を、今後の全日本聾育研究大会に何らかの形で位置付けることを全会一致で確認して、閉会となりました。