高等部(普通科教育)

大阪府立堺聾学校
木村 文三

大会1日目の午前の指定授業に基づいて、高等部研究協議が行われました。指定授業は、3年の国語表現と1年の国語総合の授業でした。

3年の国語表現は「アインシュタインの譬え話」の逸話にもとづいて、概念をどのようにイメージ化するかについての話でしたが、教材文を読ませてもらって、なかなか難しい文章に取り組んでおられるなあと感心しました。1年の国語総合では、情報処理実習室でパソコンを使って、「羅生門」の文の構文を理解するという授業でした。生徒5人のグループに対して、先生とインストラクターの二人で授業を展開しておられ、生徒は各自のパソコンの画面上でカーソルを動かして、試行錯誤しながら文の構成を関係づけていました。チョークと黒板という授業になれたものには国語をパソコンで教えるということにとまどいを感じつつ、このような授業のやり方も今後研究していかなければならないと興味を持って参観させてもらいました。

午後の研究協議では、初めに今回の発表のに向けて平成12年度から取り組んできた経過と、到達点についての次のような報告がありました。

今回のテーマ「自ら学ぶ力を伸ばすために」を決定するにあたって、第一に生徒の学力の実態をを明らかにすることが必要と考え、「読書力診断検査」の結果に基づいて、生徒の学力にどのような問題があるかを掘り下げるところから始めた。平塚聾学校の生徒は「素直ではあるが、受動的」で、「意欲の低さ、失敗に対するおそれ」、「学力の遅滞」が見られるという分析結果から、「興味のもてる内容の、体験的要素を取り入れた学習、楽しい授業」と、「失敗の原因を探る評価」が必要との結論に達し、各教科での授業の改善に取り組んできた。

このような取り組みの一つとしての国語科の指定授業について、研究協議がもたれました。会場からは、取り組みの中で生徒はどのように変化したか、先生たちの手話はどのようにして勉強されているのかなどの質問が出ました。この取り組みの中で、生徒が自分の書いた文章に関心をもち、これでいいのかと質問に来て、何度も書き直しをするようになってきている。また、先生たちのコミュニケーション手段として、聴覚口話法と中間型手話を併せて用いるように、学校内で月一回の手話研修会を開いているとの回答がありました。

最後に助言者から、自発的学習を組織するためには、生徒に「わかる」という意識を持たせることが大切であり、そこから「おもしろい」と感じ、「興味」を持つことによって「自ら学ぶ力を伸ばす」ことができる。そのためには先生が本当に「わからせる」ことが重要であると指摘がありました。

全国のいろいろな学校の取り組みや、鋭い指摘などを聞かせてもらい、大変いい勉強になりました。今後の実践に役立てていきたいと思います。