小 学 部 教 育

愛知県立岡崎聾学校
頼永 由美子

木のぬくもりが温かく明るい教室や広い廊下のあるすばらしい環境の中、朝からの公開授業に引き続き指定授業を参観しました。平塚校小学部では、「基礎学力の向上を目指して」が研究テーマということで国語と算数の指定授業が行われました。

1年算数は「ひき算」で半具体物を式に置き換える指導でした。板書は図やイラストを多用し視覚的に学習内容がよく伝わり、児童が何度も具体物や半具体物を操作する場面がありました。2年国語は「うしろの まきちゃん」で物語文を読解し主人公の気持ちを考える指導でした。指導者自作の挿絵が紙芝居のように何枚もあり内容把握がしやすく、通読は指文字、発声、手話と3通りで繰り返していました。3年国語は「サーカスのライオン」で最後の場面の「じんざ」の気持ちを考える指導でした。テンポの良い指導に児童たちがよく付いていき活発な意見発表がなされていました。どの授業も日ごろから小学部の教師が難しいと感じているところで、いろいろ参考になったと思います。また、それぞれの教室には今までの指導過程のまとめや絵が模造紙等に掲示されており、それぞれの単元が着実に積み上げられていることが伺われました。

午後からの指定授業研究協議では、授業者から児童の実態に合わせた指導過程や目標の説明がなされ、質疑応答も活発に行われました。助言者の先生からは、国語では子ども同士の会話をどう生かすかという点で、自立的な読解、子どもに任せてみる授業を今後の展開時にしてほしいというお話もありました。算数では半具体物から抽象的な物にしようとしているが、1年生ならばもっと生活レベルに戻り、具体物との行きつ戻りつで良いのではとのことでした。

その後研究概要の説明がありました。「読み書きグループ」は、読み書きの力という聾学校小学部の最重要教育課題に真っ向から取り組まれていました。スモールステップで子どもが意欲的に読み書き活動を行うための工夫を考えているという報告でした。「数と計算グループ」は『算数的なものの見方・とらえ方』をつけさせるための配慮・工夫をとりあげていました。助言者の先生からは算数特有の言葉は生活に密着させながらなじんでいくと良い、手話で算数言葉をふくらませ意味づけしていったらどうかとのことでした。

私の学校も含めて、多くの聾学校小学部が基礎学力の向上に向かって努力している中、本当に有意義な研究協議ができたと思います。ありがとうございました。