15.早期教育−3歳未満


千葉県立千葉聾学校

相川 利江子

本分科会では、「豊かな人間性や社会性の発達を促すための望ましい母子関係を援助する乳幼児教育のあり方について考える。」というテーマに基づき、8件の研究発表があった。研究発表の内容は、北海道帯広聾学校からは「関係機関との連携による教育相談と保護者支援の取り組み」、愛知県立豊橋聾学校、筑波大学附属聾学校からはそれぞれ「本校乳幼児教育相談の現状と課題」、独立行政法人国立特殊教育総合研究所からは「乳幼児期における聴覚的支援と保護者支援」、北海道函館聾学校からは「聴覚障害乳幼児の健やかな発達を促す援助について」、兵庫県立こばと聾学校からは昨年に引き続き「親子で絵本を楽しむために(その2)」、日本聾話学校ライシャワ・クレーマ学園からは「生活に根ざした個別指導の実践」、北海道札幌聾学校からは「聴覚障害乳幼児のコミュニケーション発達支援プログラムの作成」であった。

研究発表の後、2つの討議の柱(1、これからの聾学校における乳幼児教育相談の役割について 2、両親支援および子供の発達を支援するための具体的な方法について)を基に各校の情報交換と論議がなされた。

まず、早期療育体制として、聴力検査、母親への聴覚障害の受容のための相談等についての病院との連携の難しさが話題となった。特に聴覚補償については、新生児聴覚検査の実施により、早期からの聴覚的支援及び保護者支援が必要となり、それにともなって補聴器の装用についても慎重に行ない、全体発達の中での聴覚活用を見ていくことの必要性が討議された。

また、重複障害児の聴覚以外の障害について他機関との連携やネットワーク作りの必要性が北海道の事例を基に改めて確認された。

さらに両親支援という面では、今年度からの完全土曜休業にともない、複数の学校から昨年度まで土曜日に行っていた父親講座や祖父母講座などが開催できなくなってしまった問題点が挙げられ、家族ぐるみの教育体制の必要性をどのように伝えていくかが話題となり、家庭訪問の体制が整っている学校、土曜日に自主的に出勤して父親講座を行っている学校、父親に記録を書いてもらった例など、各校の取り組みが情報交換された。また同じ障害を持つ母親同士のつながりを育てるグループ活動のよさについても触れられた。

本大会で授業を公開していただいた札幌聾学校が文部科学省の研究指定を受け作成した発達支援プログラムについては、大変興味深い、早く最終報告が見たい。また大沼直紀先生の「赤ちゃん学の勉強を。」という指摘も印象に残り、健聴乳幼児の発達を改めて勉強する必要があると感じた