11.自立活動−聴能他


秋田県立聾学校

上山 剛

本分科会では、「子供の可能性を追求し、豊かな発達を促すための聴覚活用と聴覚補償のための機器、補聴システムの効果的活用を考える。」というテーマで、6件の研究発表があった。「交流学習と自立活動を充実させるためのパソコンソフト教材の作成」では筑波大学附属聾学校中学部の取り組みということで、主に交流学習で使用しているパソコンソフトについての発表があった。

聾学校での授業の様子や補聴器についてパソコンの画面を通じて理解できるというもので、動画などを取り入れ、操作が分かりやすく工夫されているところが印象に残った。「本校中学部における聴能評価システムの試作について」では、筑波大学附属聾学校中学部での聴能評価システムの試作とその実践例について発表があり、従来の聴能の評価法にはない音声と映像の提示方法に工夫を感じた。また、その検査結果も非常に興味深く、協議でも話し合われたが、聴能の新たな可能性を感じた。

「聴覚障害児のメロディのききとり(その1)」では上越教育大学大学院の小林先生より発表があった。メロディからのアプローチは個人的に大変興味深く、研究データから、今後の音楽の授業や音を楽しむという視点から貴重な示唆を与えるものになっていた。「早期に人工内耳を装用した幼児の聴覚・言語発達について」では、岡崎聾学校で早期に人工内耳を装用した幼児の事例であったが、発表を聞き、補聴器、人工内耳の早期装用の効果にあらためて驚いた。また、機器に注目されがちであるが、子どもの発達を促す職員のきめ細かな指導に感銘を受けた。「デジタル補聴器装用の試み」では、こばと聾学校のデジタル補聴器装用に関する実践例の発表であった。様々な視点から補聴器適合のデータをとり、デジタル補聴器装用の実践を重ねているということで、本校でも同じような課題があり非常に参考になった。「補聴器形による入力音声の違いについて」では愛媛大学教育学部の立入先生からの発表であった。それぞれタイプの違う補聴器についての入力音声を比較したものであった。各種のデータは幼児期での補聴器選択に有効な示唆を与える内容であった。

協議は「自立活動の教材作成」、「聴能の評価から聴覚活用の実際」、「新しい機器の効果」、「補聴器フィッティング法」の4つの観点から話し合われた。特に人口内耳やデジタル補聴器についての情報交換では、先生方から各校の現状や最新機器の話題について話を聞く事ができた。補聴器に関しては早期装用やデジタル補聴器の選択に関すること、人口内耳については各校での取り組みや今後の動向などを含め、大変参考になった。また、補聴器のフィッティングや聴能に関することも含め、これからの聾学校の在り方まで話は広がり、大変学ぶところの多い協議になった。 このような有意義な分科会に参加できたことに感謝している。今回勉強したことを今後の指導に生かしていきたいと思う。