10.自立活動−言語他


高知県立高知ろう学校

杉本 陽一

『体験的な活動をとおして豊かな言語力と生きる力を育む指導について考える』というテーマで5人の先生方から発表がありました。まず、島根県立松江ろう学校の三島賢隆先生から「より良い自立活動の指導を目指して〜幼・小・中・高の一貫性を軸にした指導プログラムの作成〜」についての発表がありました。自立活動を4つの領域に分け、縦割りのグループを組織してプログラム作成に取り組んだこと、各学部が公開授業をして自立活動の指導について全校で考える機会を多くもち一貫した指導プログラムを作成したことの報告がなされました。次に愛媛県立宇和聾学校の鶴井宏治先生から「本校の自立活動について〜全校的な取り組みを目指して〜」についての発表がありました。全教員が自立活動の指導を行うことができるような全校的な指導体制を構築することを目指し、それまでの指導の見直しを図ってきた取り組みの報告がなされました。この二本の発表は、領域の違いはあるが自立活動の指導プログラムを全校あげて作成したということでは共通しており、「自立活動の教科書というべきプログラム」(江口朋子座長)を子どもにあわせてどのように個別指導計画をたて、どのように指導していくのかということが今後の課題として残りました。3本目の発表は筑波大学附属聾学校の板橋安人先生から「発音・発語学習の教材を考える〜専攻科生徒の「発音」授業を通して〜」についての発表がありました。早口言葉、絵描き歌、かけ算九九、いろはかるた、詩の音読と聴取など自立活動特に発音・発語学習を長年担当されてきた経験をいかしての多くの教材を提示されました。

午後は北海道函館聾学校の田中久子先生から「人との関わりを通して、一人一人の表現力を育てるための指導法の研究」についての発表がありました。基本的な話し方・聞き方、及び補助的なコミュニケーション手段などを2年間継続指導してきた成果をもとに、さらに表現力を向上させるための絵日記の話し合い活動のあり方について実践報告がなされました。5本目は北海道旭川聾学校の山野照人先生から「自立活動の学習内容・方法についての研究〜生徒の実態に応じた学習内容の構造化を目指して〜」についての発表がありました。自立活動において取り組んできた「読む・書く」に関する内容、「聞く・話す」に関する内容、コミュニケーション活動に関わる内容の実践例が報告されました。

5人の発表を受けて札幌聾学校を始め各聾学校の実践を口頭報告で行い、最後に座長から自立活動はプログラムから必要なものを選択する方法あるいは現実の子どもの実態から必要なものを選ぶ方法が考えられるが、いずれにしろ子どもを見る目がより大事になるのではないかというまとめがなされました。参加者が活発に意見を出し合い有意義な分科会が行われ、今後の自立活動を考えるうえで大変参考になりました。