9.総 合 的 な
  学習の時間

福島県立福島聾学校
安藤 ちづ子

本分科会では『子どもが主体的に学習活動を展開し、生きる力の育成を目指した総合的な学習の時間のあり方について考える』というテーマのもと12校からの研究発表がありました。分科会担当の小樽聾学校の配慮で、予め討議の柱が2本立てられていました。

1番目の柱は「子どもの主体的な学習活動を促す支援の工夫」で、5校から発表がありました。総合的な学習が教育課程に位置づけられてから初めての分科会でしたが、発表はどれも、地に足のついた実践研究でした。その発表をもとに「課題づくりの段階での支援の工夫」にテーマを絞り活発な討論がなされました。総合的な学習のメインである話し合い活動、調べ学習、発表の方法などの経験不足から主体的な活動を促すことが難しい児童・生徒に対し、それぞれの学校では経験の積み重ねや目的意識を持たせるとともに、育てたい力を明確にするなど、個々の主体性を促すため工夫しながら取り組んでいる様子がうかがえました。

午後からは2本目の柱である「生きる力を育むための指導計画、方法、評価の工夫」について7校から発表がありました。午後の発表に共通していたのは「人とのかかわり」ということでした。発表後の討議では「指導計画、方法、評価について考える時ねらいは必要である。ねらいを達成するためにはどのような計画方法であればいいか。」をテーマに、意見が出されました。その中で「少人数化により目が行き届き過ぎることが子どもの力を伸ばせないのではないか。」「生徒の障害認識の甘さに愕然とさせられた。聞こえないことは不便であることに気付くこと。また、健聴な人が持ちがちな補聴器をすれば聞こえると思っている誤解を解いていくことが、障害を理解する中で必要ではなかろうか。」という発表が印象に残りました。また、評価については「評価の観点や、評価の取り組みについて」の意見交換があり、「自己評価のあり方や、学習の中での形成的評価を工夫している。」という報告がありました。

最後に助言の入沢先生から「育てたい力を明確にすること。」「主体的に学習するための課題把握、解決方法に見通しを持たせること。」「学習体系の一連の流れを繰り返し実践すること。」などをもとに取り組みを検討してほしい。とお話がありました。また、評価については次年度に向けての提言ということで「これから生涯学習社会に生きていく子どもたちは、自分で評価できる力を身につけていくことが、必要である。自己評価の回数を重ねれば自己分析する力をつけることができるのではないか。」と締めくくりました。

限られた時間の中で12校からの発表と2つの討論がありましたが、日頃聞くことのできない各校の実践に学ぶことの多い一日であり、あらためて自分の姿勢やかかわりを見直す必要があると痛感しました。