8.情 報 教 育


石川県立ろう学校

山本 静

本分科会は、情報教育の分科会らしく、LED文字表示装置や大型ディスプレイなどの機器が充実している北海道高等聾学校のパソコン室にて、一人一台のパソコンを前にすすめられました。各パソコンでは、参加者の学校や機関のWebページへのリンクがはられ、参加者のお顔とそれぞれの学校、機関の様子をWebページで見ながら発表をお聞きすることができました。また、アメリカのナショナル聾工科大学のE.William Clymer氏の参加もあったため、手話通訳ならぬ英語の通訳の方の参加もあり、先進的、国際的な雰囲気の会となりました。

まず、研究発表では、4人の先生方より、授業の実践、教材の開発、学校の情報システムについてなど多岐にわたる発表がなされました。さまざまな実践の内容もさることながら、筑波技術短期大学の松藤みどり先生の開発されたアメリカ手話学習教材は、英語の教科書に対応したアメリカ手話を即座に調べることができるすばらしいものでした。また今年度末には、新教科書に対応したものを全国の聾学校にむけ配付する予定という、具体的な情報提供もなされました。

また、参加者全員より、各校の情報教育の現状についてのレポートがあり、「ネットワーク管理や機器管理などの課題」「職員の研修」「情報の指導を行う際の国語力、基礎学力などの課題」「携帯電話の指導」「専攻科について」などさまざまな課題が盛り込まれた話があり、共感できる内容が多々ありました。

さらに、アメリカのナショナル聾工科大学のE. William Clymer氏と筑波技術短期大学の荒木勉氏より、「聴覚障害者のための国際大学連合」(Postsecondary Education Network International)についての話がありました。PEN-Internationalは、アメリカのナショナル聾工科大学、日本の筑波技術短期大学、中国の天津聾工科大学、ロシアのモスクワ州立バウマン聾工科大学の4つの世界の聴覚障害者のための高等教育機関が連携して行っているプロジェクトです。インターネット(テレビ会議システム)を利用しての教育や教育指導の講習会等を行っています。2001年に始まったばかりのプロジェクトではありますが、聴覚障害を持つ学生たちの社会自立を図るためのより良い教育と学習・指導法の改善、新技術の導入とその活用に向けて動き出しているということでした。

今回、情報教育についての発表や各校の現状をお聞きし、設備や人的問題の格差はあるものの、「無」ではない状況のなか、聾教育のなかで情報教育をいかに有効にすすめていくかをあらためて考えるいい機会となりました。