6.社 会 科

(生活科を含む)



山形県立山形聾学校

西谷 真司

社会科(生活科を含む)分科会では「社会事象の認識力を高め、社会の変化を洞察し、それに対応できる基本的な力を育てる指導法について考える。」というテーマで話し合いを行いました。レポート発表は2人で、参加者が10人という分科会でしたが、当初は予定していなかった一般参加の先生そして運営担当者の方からのレポート発表もあり活発かつ有意義な話し合いができました。

最初に盛岡聾学校の高橋先生から「主体的に生きる力を育てる指導内容と方法の工夫−地域学習を身近に感じさせるための取り組みをとおして−」というテーマで小学部高学年の地図を通した地域学習の実践例の発表がありました。小学部高学年で異学年・習熟度別学習グループで行われた実践です。地域(学校のまわり)のようすを地形図から学習していく過程でフィールドワークを行い実際に高いところから地域のようすを見ることによって感覚的に空間を認識し、基礎的な用語の使用や理解に結びつけることができるようになっていったという実践でした。子どもは、田が学校のまわりにあっても、「ある」ことを知っているだけで、「平地に田が一面に広がっている」ことには気づかない。それが実際に近くの山に登って高いところから低いところを見てみると、「広がり」に気づく。このイメージ化がとても大切なことでした。実際に見る、そしてビデオで見て確認する、地図に色を塗っていくなどの指導の工夫によりイメージ化がさらに定着していきました。

次に山形聾学校の西谷先生から「社会自立できる生徒の育成−情報活用能力・コミュニケーション能力の向上をめざして−」というテーマで高等部2年の「魅力あるまちづくり」を題材にしてプレゼンテーションを行った授業の発表がありました。生徒が住宅販売会社の販売員となり都心のマンションと郊外の一戸建て住宅の販売を目的としたプレゼンテーションを行うという授業でした。生徒がそれぞれの販売戦略を考え、さまざまな観点から、また、いろいろな方法で自分に必要な情報を収集していきます。そして、集まった情報をプレゼンテーションの資料としてまとめ、プレゼンテーションを行っていきました。生徒を販売者の立場にしたことで生徒の興味関心を高め活発な授業になりました。また、学習課題を解決するために情報を収集し活用する場や自分の考えを相手に伝えなければならない場が設定されて、情報活用能力やコミュニケーション能力を伸長することにつながったと考えられました。

次に青森県鶴田町鶴田中学校の成田先生からの発表がありました。成田先生は難聴学級設置のため現在国立特殊教育総合研究所で研修をなさっている方です。聾教育での実践はないので今まで行ってきた普通中学校での社会科の実践をレポートしてくださいました。成田先生は「わかる」授業をめざしてさまざまな工夫を積極的に授業にとりいれていました。色チョークや絵やカードを利用して黒板を鮮やかに立体的に表しています。また、生徒主体の活動を多く取り入れていました。砂漠化を題材とした授業では高吸水性ポリマーを実際に使って実験を行うという授業を行っていました。この実践は聾教育の実践ではないのですが板書の工夫や実験を取り入れた授業など聾学校の社会科の授業にも積極的に取り入れていきたい実践でした。最後に運営担当者の札幌聾学校の三瓶先生から「自ら課題を解決する力を育てる指導法の研究」というテーマで発表がありました。自ら課題を解決するためにつけさせたい力を設定しそのチェックリストで生徒個々の実態把握を行っていったというものでした。育てたい力をどのようにとらえるかなど大変参考になりました。