5.理 科 (生活科を含む)


東京都立葛飾ろう学校  田村 利枝子


本分科会では、「自然に親しみ、実験や観察などをとおして科学的なものの見方・考え方夏を養うための理科学習について考える」というテーマのもとに、聾学校の理科教育のあり方を探るための研究協議がなされました。

小樽聾からは、「イメージをふくらます電流の学習〜描画法を用いた指導を通して〜」でした。「電流の導入」において、電流という目に見えないものを、発表者が研究工夫した「電流の描画のための枠」を利用して、生徒が描画および思考を行うという、理科教育で重要な科学的な見方や考え方の育成につながる実践です。出席者からも「電流の授業の入り口で、難しいところをよくやっている。大変参考になった。」という激励の感想もでてまいりました。

八戸聾からは、「科学的なものの見方・考え方を養うための基礎作り−原体験・ネイチャーゲーム・自由研究の実践−」でした。小3〜6年野路道を対象に5年目になる実践です。児童の自然認識の実態調査の結果から普通小と比較すると、聾学校の児童・生徒の動植物に対する観察の未熟さや野外へ出かける体験やネイチャーゲーム・自由研究を行う事により、生徒は、意欲的に取り組む事ができました。体験をせずに知識ばかり優先する子供の例も出され、自然体験は、前段階の学習内容であっても真実をしっかりとらえる上で重要であることがかくにんされました。

日本聾話からは、「学校周辺の自然の教材化とその指導実践」でした。18年間に渡って主に中学生を対象に3年間続けて行う野外授業。その締めくくりとして中3の終わりには、「人間生活と環境」のテーマを学ぶときにレイチェル・カーソンの名著「沈黙の春」を紹介。実践例のすみずみまで、命の息吹を感じさせ、生きる事のすばらしさに共感させられたにようでした。

筑波大附属聾からは、「学校の周辺自然環境を学ぶ活動の実践」でした。空中花粉の教材化を始、8年間に渡るたくさんの実践例が発表されました。授業への興味づけ、インターネット・デジタルカメラ・ワークシートの活用、理科授業の有用感を持たせるなど指導上の工夫があり、生徒の作品は失敗したものからこそ学ばされる事が多い体験も語ってくれました。

自然と生物の共存についての討議では、ハチやカラスの行動が話題になり、先生方の目はますます輝きを増し以後生き生きとした情報交換が続きました。@理科と総合的な学習の関連性を考慮した学習内容の検討 Aインターネットの活用について B視覚に訴えるための情報機器の有効活用など、今後の課題も出されました。

最後に、会のまとめとして、座長が「理科教育は楽しく面白いだけでは済まされない。私たち教員は聾学校間にとどまらず、地域の学校との連携も含め交流し研究していく事が大切である。」とまとめてくれました。