4.算 数 ・ 数 学


青森県立青森聾学校

工藤 文紀

本分科会では、「学習への意欲を高め、数学的思考力を培うための効果的な指導内容や方法について考えよう。」というテーマのもとに活発に研究事例発表が行われました。

宮城県立ろう学校からは数学的活動を重視した指導の考察として、グラフ電卓と音センサーを活用した『音の探究』を取り上げた事例が報告されました。グラフ電卓はコンパクトで気軽に使え、視覚で判断することができ直接的な経験に結びつく教材として有効であり、今後も新しい活用法が期待されます。

上越教育大学からは大塚ろう学校での実践例をもとに作業を取り入れた教材の開発について研究発表がありました。定規やコンパスを使わず紙を折ることだけで正三角形をつくる方法、さらに応用して正十二面体(サッカーボール)をつくる作業、独楽作りを通して円板の中心を求める方法などが紹介され、数学嫌いが軽減され、より数学を身近に感じられる事例として注目をあびました。

愛知県立岡崎聾学校からは、個を伸ばす数学指導・支援の一事例が紹介され、生徒が自ら意欲・好奇心をかき立てるにはどうとりくんだら良いかについて報告がありました。生徒が目を輝かせてワクワクして学習できるような授業づくりを目指し、プリント学習によるきめ細かい教科指導、生徒同士で教え合う互いに分かり合える授業の実践について紹介されました。

福島大学教育学部からは、福島大学から筑波技術短期大学の生徒に衛星通信システムによる数学科の遠隔授業を行った実践報告がありました。受講生の反応の読み取りが難しかったり、双方のアイコンタクトが取りにくいなどのまだまだ細部に解決しなければならない課題がみられましたが、これからの少子化時代に不可欠な授業として考えられ、時代の最先端を見ることができました。

愛知県立豊橋聾学校からは、高等部卒業を控えた数学の苦手な生徒に対して、物を分けるという具体操作をともなうわり算学習の実践例が報告されました。数学を通して学んだ様々な角度から物事を見ていく姿勢を社会に出てからも活かしてほしいという願いが伝わってきました。

北海道高等聾学校からは数学活用能力調査を通した結果よりその分析と方策について報告がありました。文章題編20問と計算編10問の40分で解く問題で作られており、図形編が無いなどこの問題で果たして総合的に調査できるのかという指摘がありましたが、日常生活につながる数学の実態調査の例として大変参考になりました。

埼玉県立大宮ろう学校からは、算数科の授業にティームティーチングの導入を通して児童一人ひとりを伸ばし、意欲的に取り組ませる学習指導について発表がありました。残念ながらまだ実践まで及んでいないそうで次回の発表に期待することになりました。

終わりに本分科会は20人という少ない人数の分科会でしたがそれを感じさせないくらい多くの発表と意見交換がなされ、貴重なおみやげをたくさん持ち帰ることができました。ありがとうございました。ただ聴覚障害教職員4名参加した中で午前中手話通訳がつかず(要約筆記はついていましたが…)、リアルタイム性を問われる質疑応答では非常に苦労しなければいけなかったのが残念でした。