1.基 本 問 題 I


滋賀県立聾話学校

森 原  都

基本問題1の分科会では、4つの柱にそって11本のレポートが 報告されました。

第1の柱「小学部の指導に関すること」では、室蘭校から少人数化に対応した「合同学級」の取り組み、一宮校から低学年に必要な 基礎・基本としての「読む・書く・計算」の指導を家庭と連携していかに行ったかという実践が報告されました。学年をこえた合同学級の実践をふりかえり、 「子どもは本来主体的なものだ」と言われたことが印象的でした。また、学力の基礎となる教科指導については、生活に根ざした視点が大切であるという指摘もされました。

第2の柱「中・高等部における指導に関すること」では、「チェ ックリストによる実態把握(札幌校)」「幼稚部での保育実践(群馬校)」「個に応じた学習システム(名古屋校)」が報告されました。「聾の子どもが、自信を持って生きていく力を育てたい」という聴覚障害の先生の言葉は、強く心に響きました。

第3の柱「心の指導・障害認識に関すること」では、札幌校・松 江校がレポートされました。「心」について考える時には、閉会集会のシンポジウムで中村先生(国立身体障害者リハビリセンター学院)が話されたような整理や視点が必要ではないかと感じました。特に、中・高等部の生徒に対応する時の私たちの「障害認識」は、きわめて重要な課題だと思います。     

第4の柱「通級による指導に関すること」では、4本のレポート が報告されました。文部科学省や教育委員会の方針を受けて始めら れた一宮校や直方校。地域の特性に応じて数年前から取り組まれて いる酒田校と、動機はそれぞれでしたが、今後「センターとしての聾学校」を考える上で、重要な提起がされました。兵庫教育大学大学院からは、通級指導教室での「補聴器やきこえ」に関わる実践課題が報告されました。

最後に、座長の宍戸先生から、発表されたレポートと参加者の発言をまとめていただきました。 休憩時間もふくめて6時間の分科会に、11本の多岐にわたるレ ポート報告がされ、討論する時間はほとんどとれませんでした。それだけ「基本問題」に対する関心が高いと考えられます。また、研究が非常に熱心に進められていることも感じました。  今後は、一つ一つの課題がより深められるよう分散会形式にする など運営の工夫をするとともに、さらに子どもの実態に即した実践 検討の場になることを願っています。