中 学 部 教 育

茨城県立水戸聾学校  大内 一成



美しく紅葉に染まった秋深まりゆく北海道のすがすがしい空気の中で全日聾研北海道大会に参加させていただきました。

中学部分科会は札幌聾学校で行われ,「自ら解決する力を育てる指導法の研究」というテーマで実践的な研究がなされていました。まず,中学部廊下の掲示物を見て驚いたことが二つあります。ひとつは今年度から本格的に実施された「総合的な学習の時間」の各グループごとの成果の発表ですが,生徒たちが自由な発想のもとで自ら課題を見つけそれらを探求していく様子が目に浮かぶような内容でした。もうひとつは卒業生の進路先なのですが,一般の高等学校に進学する生徒が多くいるということです。

掲示物に感心しながら公開授業を参観し,それぞれの授業に臨む生徒の様子を見ているうちに上記のことに「なるほど!」とすぐに納得することできました。先生の話に集中し,聞こうとする態度や自分の意見を発表する際の学習態度がどの教室におじゃましても生徒たちに身についているのです。また,先生方も手指メディアを一切使わずに授業を行っていました。施設の中には聴覚センターとして標準聴力検査室はもちろん乳幼児聴力検査室,フィッティングルーム,自立活動室と聴覚に関する広いスペースと設備機器がそろっていて,学校としていかに聴覚の活用に主眼を置き積極的に取り組んでいるかが伺えました。

指定授業では,2年生Aグループの国語科の授業を参観しました。戦時中を扱った題材で生徒たちの実生活から離れた内容の中で,文章から場面の情景や主人公の心情を読み取るのは難しいのではないかと思われましたが話し合い形式の授業展開の中で率直に意見を出し合い,友だちの意見に耳を傾け,与えられた場面の情景や心情を探っていく様子にも根底に「自ら課題を解決する力」という理念が行き渡っているなあと感心させられました。

研究協議会では,研究主題から「生徒につけさせたい力」として,○主体的に学ぶ力,○表現する力,○理論的に考え判断する力 を柱として授業実践を中心にした3年間の研究概要の説明がなされました。しかし,時間の都合もありましたがもう少し踏み込んだ詳しい報告が聞きたかったところです。指定授業についての研究協議でも授業環境の素晴らしさや話し合い活動のレベルの高さに関する感想や意見が多く聞かれました。

最後に,私のとってはじめて参加した全日聾研でしたが,主管校の取組みをはじめ全国の情報に触れることができたとともに,今後の指導に際して考えさせられることの多い大変意義のある大会となりました。この紙面をお借りして公開授業,指定授業を見せていただいた先生方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。